アメリカとイギリスの違い
アメリカとイギリスを同時に旅行した。どちらもユーモアに富んだ国柄であるのを感じるが、少し違いがある。アメリカ人は陽気で親切、イギリス人は陰気で礼儀正しく、いい意味で言えば清楚、悪く言えば冷たそうと言う印象だ。アメリカ人は、ホテル等でドアが閉まりかけたエレベーター等に出っくわすと、閉まろうとするドアを中から手で支えて、急いで乗れと世話を焼いてくる。積極的に話しかけてくる。声もでかいし、食欲も日本人には想像できないほど旺盛である。カメラを向けると必ず二カッと笑う癖がある。面白いしこちらも楽しくなる。
それにひきかえイギリス人は、そうゆう態度は絶対にとらない。我関せずという感じである。不親切かと言うとそうではなく親切である。あるとき、ロンドン市内で道に迷い途方にくれていたら、目指していた広場まで、結構長い時間をかけて案内してくれた。お礼を言うと笑って手を振って行ってしまった。わざとらしくなく、ごく自然にである。赤い服と黒い帽子をかぶって馬に乗るといったイメージである。カメラを向けてみると、口元に微笑を浮かべるだけでアメリカ人に比べると、まったくのシャイである。
そういえば、アメリカの先代ブッシュ大統領の時代に流布されていた、ジョークがあることを思い出した。 ブッシュ大統領にとって、あとを誰にするかは大きな悩みの種であった。そこでメジャー首相を後継者に選んだサッチャー前首相に相談した。サッチャー前首相は「知能テストで決めた」と言う。テストの問題は「貴方の父親の息子で、貴方の兄弟でない人は誰ですか」と言う質問であった。大学卒ではないが、頭のいいメジャー氏は即座に「それは私です」と答えた。
それを聞いたブッシュ大統領は同じ質問をクエール副大統領にしてみた。クエール副大統領は知能の高い代表と言われたキッシンジャー元国務長官に相談した。キッシンジャー氏は、即座に「その答えは私です」と答えた。クエール副大統領は何食わぬ顔で、ブッシュ大統領のところへやってきて、「さっきの問題の答えですが、それはキッシンジャー氏ですよ」と答えた。それを聞いたブッシュ氏は「バカ、何でキッシンジャーだ。答えはメジャーじゃないか」と言ったと言う。
アメリカとイギリスの違いが、なんとなくご理解いただけるであろうか。