高校授業料無償化
参議院議員の選挙で、日本維新の会が盛んに高校授業料無償化を宣伝しているが、高校の授業料を無償化すると、どのような効果があるのか、そうした議論を欠いたまま実施しようとしているのではないか。そもそも教育の向上のためというのであれば、所得水準の高い家庭を含めて無償化することが、なぜ生徒の学ぶ意欲を高め、人間性豊かな人材を育てることに役立つのか徹底的に論じてもらいたい。
そもそも有名私立校に子供を通わせられる裕福な家庭にも税金から支援金が出る。一方で中卒で働き始めた子たちは税金を納める。大いなる矛盾である。しかもすでに始めている大阪府では、令和6年度から段階的に私立高校を無償化したところ、公立全日制高校145校のうち半数近い70校が定員を割ったという。更に思うのは、義務教育である小学校や中学校は私立だと授業料を支払わなければならないのに、なぜ義務教育ではない高校が無償化されるのか。義務教育は有償で義務教育でない方が無償化というのは如何なものか。
世の中、金を出して口を出さないという事はあり得ない。国から全額補助を受ければ、それ相応の規制がなされるのは目に見えている。公立と違う事をしてこそ私立の意義がある。
文科省に規制されることは目に見えている。これでは私立の基盤を揺るがすことにならないのか。
無償化に必要な年5000億円超の財源があるならば、小中学校を含めた効率の学校を整備した方がよいのではないのか。公立の質をよくして、私立との格差を埋めていくことの方が、よほど日本全体の教育の役に立つと思うが。