日本民族の誇り
ある人気番組のコメンテーターが「自民党に投票し続けるのは、劣等民族」という日本人蔑視発言をしたという記事を読んだが、許しがたい暴言であろう。
戦後の日本は、一貫して高い経済成長を遂げてきた。そして我々の暮らしは非常に豊かになった。この原因は日本民族の優秀さ以外の何物でもないのは明らかなことである。
日本は古来より武士道の精神を重んじてきた。武士道には金銭を低く見る風土があった。「武士は食わねど高楊枝」といい、今もその気風は残っているとみている。
室町末期に日本に来たザビエルが書いている文章がある。「日本人は貧しいことを恥ずかしがらない。武士は町人より貧しいのに尊敬されている」。ヨーロッパ人の感覚では特筆すべきことのようだったのだろうと思う。
貧富と貴賤とは無関係というのは、今でも日本に残る美風である。
当時の江戸時代の識字率は、約50パーセントと言われていて、おそらく世界最高だったと思われる。寺子屋が全国に無数にあって、江戸だけでも千数百校と言われていて、最も近代的と言われていたロンドンでも識字率は20パーセントと言われていた。識字率が高いという事は、読書文化が発達しているという事で、金儲けには全く役に立たないという読書に、国民は楽しみを見出していたのである。元禄の頃には数学で関孝和、建部賢弘、文学で松尾芭蕉、井原西鶴、近松門左衛門などの天才が輩出した。これらの天才を輩出するだけの土壌があったという事なのだ。
従って日本が開国した当時、イギリスにせよアメリカにせよ、本気で日本を植民地にしようと思えば出来たはずが、イギリス人たちは江戸の町の来て、町人があちこちで本を立ち読みしている姿を目のあたりにして、「とてもこの国は植民地に出来ない」とあきらめたと言われている。日本が品格ある国家であったが故に、植民地にならずに済んだという事は、国の防衛力にも、国家の品格は有効なのだという証拠であろうと思っている。