円高の活用

円高で自動車をはじめとする輸出産業が青息吐息である。
先進国経済が低迷し、世界の金融市場が激震を続ける中で、日本は超円高に見舞われている。 円の対ドル・レートはかっての360円から76円台へと、4、7倍にもなっている。 巨額の国家債務をもつ日本の通貨の方が、ユーロやドルよりも信用できるということなのだろう。 それは日本が「債権国」であるという単純な事実の反映でもある。 日本の国家債務が巨額に達し、確かに問題ではあるが、当面、欧米ほど危なくはないということなのだろう。だとすれば円高は当分続くと見なければなるまい。
したがって我々は発想を変えて、円高をとことん活用するという考え方に転換することが必要だ
たとえば円高によって安くなった海外資産を積極的に取得し、日本企業が本格的なグローバル経営に乗り出すという発想である。 また近隣のアジア諸国と双方向で貿易を積極的に拡大させることも必須であろう。 
幸いに、今アジア諸国は成長を続けているから、様々な財やサービスに引力が働いて日本の輸出を増やす好機である。 中国人の観光客は日本で目薬や胃薬を購入していくのは、日本の医薬品が安全で品質が高いと思っているからだ。炊飯器や電子ジャーなどを何個も買っていくのも同じ理由からだ。 東南アジアで日本の化粧品や洗剤が売れるのは、それが勝れていることが知られているからなのである。 すべての日本商品はアジアの人々にとって憧れの商品なのである。
円高を好機と捉え、日本のもつ商品やサービスの質の高さに、さらに磨きをかけ、アジア全域で売っていくことに成功したら円高は日本にとって有利になる。
内向きで閉鎖的な思考ではなく、アジアに活路を開いていくという発想を持つことこそ、日本国内の産業をさらに大きく発展させる最良の方法である筈だ。

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