困った人がいるものだ
老いは絶対年齢とともに、少しずつ近づいてくるのはやむを得ないが、世の中には若くても老いている人と、暦の上の年齢は高齢者でも、少しもボケていない人とがいる。 よく見る風景だが、駅の改札口、歩道の真ん中、エスカレーターの降りたすぐ近くの空間などで、平気で立ち止まる人がいる。 高齢ゆえに体力がないから立ち止まって、体調を整えるためにという人を除いて、実は若くても立ち止まって、辺りを睥睨している人が結構いる。
つい先日も町内の行事があって、ある場所へ歩いて行った時の事である。 途中どうしても通らなければならない狭い短い階段があった。 その階段の中ほどで立ち話をしている中年の女性がいたので、「通行できないから、上か下へ行ってくれ」と言うと 「今、相手と話をしているから」 という返事が返ってきた。 そこを通らないと目的地へ行けない人が、後ろに続いているのが目に入らない筈はないのにである。
こうゆう人は多分、この世に実に大勢の人が暮らしていて、それらの人達には、それぞれの事情があって生きているのだから、お互いに充分に相手を存在を意識して、譲り合わなければならないのだ、という現実が分からなくなってきているのである。
こうゆうのも、一種の 「ぼけ」 と言ってもいいのではないかと思っている。 美容に心を使う人が多くなったので、外見は若くて奇麗な人が増えたのは事実だが、行動は全く鈍感な利己主義者と言う人もまた、多くなってきたのである。
階段の途中で、その女性とは、少しだが激しくやりあったのを、少し後悔している。 馬鹿な人間を相手にして、なんと馬鹿なことをやったものだと。