中国との関係について
中国と日本は、いつの時代でも微妙な関係にある。 現在も中国の南シナ海の軍事化問題で、キナ臭くなってきた。尖閣諸島の問題も頭が痛い問題である。 中国はとにかく「核」を持っているから、軍事的衝突が起こると、日本としては大変なことになる。 しかしながら日本は、中国をいつも助けてきていたのを、歴史が証明しているのであるが、中国の国民は、ほとんど知らされていないから知らない。
例えば「中国の疎開」は、1840年から42年にかけておこった「アヘン戦争」で、清国がイギリスに敗れた結果、不平等条約によって誕生した租借地のようなものである。 「アヘン戦争」というのは、アヘンによって国民が心身ともに蝕まれ、国家が荒廃していくのを危惧し、アヘンの輸入禁止を定めた清国を、近代兵器を駆使したイギリス軍がねじ伏せ、輸入を認めさせたという、昨今の麻薬密売どころの騒ぎではない、まことに理不尽な侵略戦争そのものだった。 アヘン戦争後、どさくさまぎれのようにイギリスに続いて、フランス、アメリカなど欧米の列強が、上海に土地を借り、一種の治外法権的な「領土」を構えた。自分たちは西洋風の豪華な建物に住み、中国人を奴隷のように使った。 現在、外灘地区に観光施設のごとく建ち並ぶゴシック様式やバロック様式、アールデコ様式の建物は、その当時の建物である。
その後、日本が戦争の渦に巻き込まれるのであるが、それが結果的に中国の屈辱のシンボルであった「租界」を終焉させた。 日本の戦争の責任はあるものの、インドシナ、マレーシア、シンガポール、フイリピン、インドネシアなどを侵食していた欧米の植民地政策を一掃したことは大きな功績であったと思う。 中国にはこの例を見るだけでも、大きな貸しがあるのである。