街の印象とは

 初めての土地へ行くということは、そこはかとない期待が膨らむものだ。 そのような期待感を最初に受け止めるのが、駅であり、駅前広場であり、駅前商店街である。 訪問者は駅に降りたったその瞬間に、飛び込んでくる風景や、匂いや、雑踏からその街に着いた感動を味わうものだ。
今の土浦駅を含む周辺の状況は、そんな駅の持つ期待感をまるで放棄してしまっているかのようだ。 駅周辺をより魅力的に、便利に、整備することは「市勢」の象徴にもつながる。
つくば市に住む友人(塚本一也氏)が、「つくばエクスプレス最強のまちづくり」 についての本を出版した。 その内容たるや近来まれに見る良書であり、的を得た的確な街づくりの壮大な構想が示されている。
その中に土浦市に対して、大きな懸念を抱いている思いを、コラムにしたためているので紹介したい。
土浦駅の再開発に思うと題して、 「土浦駅、常磐線の普通列車の多くがこの駅を始発・終点とし、日に1万6千人強 (つくば駅とほぼ同数・2012年実績) の乗降客を集める茨城県南の交通の要衝。 その土浦駅周辺の商業施設が近年ことごとく撤退しています。京成百貨店、小網屋、西友、丸井・・・等々、モール505も空きテナントが多くなり、命運賭けた再開発ビル(ウララ)の主人公であったイトーヨーカドーも撤退して深刻な状況です。 シャッター通りと呼ばれる旧市街は、全国のいたるところに存在していますが、駅前にそびえ立つ街の顔である商業施設が空き家では、仮に市の財政を数字上で見れば、良好であったとしても市勢は感じられません。 始めてその土地を訪れる人にも好印象を与えることはできないでしょう。 またその土地で生活する人にとっても良い環境とは言えませんし、将来性のない街になってしまい、街の価値そのものを下げていくことにもなりかねません・・・・・」。
土浦市民以外にも、土浦市に愛着のある人たちは多い。 しかし、その誰もが現在の土浦市の目指すべき方向を心配している。 いかにして土浦市の活性化を取り戻すか。土浦市民に課せられた課題は大きい。

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