民主党の代表選について

連日、テレビ等で民主党の代表選が大騒ぎである。小沢氏は出るのか出ないのか。菅首相は代表選で勝って引き続き政権を担当できるのか。外野席から眺めていると、
これまでの民主党内の議論からうける印象は、非常に分かりにくい。
菅首相を支持する理由として多くの民主党議員からよく聞こえてくるのが、「一国の首相をころころ代えるのはよくない」と言う声である。確かに首相交代に伴う政治空白や、新旧首相間での政策の継続と言う点でも問題があるだろう。だが、これらの議論はあくまでも首相にふさわしい人物が首相だった場合と言う前提付きで成立する。
仮に、首相としての的確性を欠いた人物であるなら「ころころ」だろうが、「短期間」だろうが、さっさと代えた方が国家国民の利益にかなう。
鳩山前首相は、バラマキ政策と普天間基地と、出来もしないマニフエストで、国民の目を欺いた結果、政権運営に行き詰まり、自ら短期間で政権を投げ出した。鳩山前首相と言う人は、何の哲学もなく、世の中のゴミにも似た、影のような存在だったと思えてしかたがない。彼がいてもいなくても、または生きていても死んでも、世間は何の痛痒も感じない、そのような人だったと言うのが正直なところの印象である。短期間で辞めてもらって国家や国民はよかったと大歓迎したのである。
菅首相は参院選直前になってから消費税10%を発表した。この発言について、きちんとした党内手続きや野党との意思疎通を省いた「唐突な発言」として党内ばかりか野党からも袋ただきにされて、今は全く発言しなくなってしまった。参院選途中で「しまった」と思ったのか、あれこれと言い繕い「低所得層には還付する」などと言い出し、その金額も二百万、参百万、四百万と一日のうちにどんどん変っていった。要するに資質がないのは明瞭である。
小沢さんについては、カネまみれの政治家であり、そのような人が総理大臣になることは、世論は決して許さないと思う。6月に鳩山首相退陣と共に幹事長を辞したとき、世論の9割がこれに賛成したと言う事実を以ってしても、今さら論ずる必要も価値もない。
したがって、民主党に心ある人がいるのであれば、いつまでも鳩山、菅、小沢でもあるまい。この3人の名前には国民は聞き飽きてうんざりしているのである。
そういう中で、参院選で過去最高の百七十一万票で当選した事業仕分けで名を上げた蓮肪行政刷新担当相。本人は「タレント議員」と呼ばれることを嫌っているようだが、クラリオンガールから、お笑い番組、TBSのワイドショーの司会を経て、テレ朝のニュースキャスターとなった正真正銘の「タレント議員」である。事業仕分けの活躍で有名になったが、彼女の仕分け振りを見ていると、大向こうを意識するあまりか、無意味なツッコミ質問の羅列であり、その定番は「天下りは何人か」「報酬はいくらか」「役員は公募しているか」「効果を数値で説明して」など、重箱の隅をつつくものばかりである。あげくの果て「一番でなくては駄目ですか。なぜ二番では駄目なのですか」とか、某協会の会長が、「ご指摘有難い」と答えたところ「有難くないことしているんじゃないですか」と嫌味を言った。これらから察するに彼女はあまり性格はいいとはいえないだろうと想像する。要するに蓮肪氏は「ツッコミはうまいが、クリエイテブな思考が出来ず、突っ込んだ後は思考が停止している」様な気がする。その連肪氏が代表選で「首相が代わると総選挙が筋だ」として「総選挙になったら、時間的に特別会計の事業仕分けに大きな影響があるので、菅首相を支持したい」と発言していた。なんと事業仕分けが第一で、首相の人選は二の次。事業仕分けが円滑に進むなら、首相選びはどうでもいいという考えのようだ。背伸びしすぎて己のレベルを間違えてしまっているようだ。
そもそも事業仕分けをテレビで流し、傍聴人の力を借りた勢いで結論を急ぐやり方は、国家予算に対して冒涜していると言っても過言ではあるまい。哲学もなく、知識もない素人集団のような連中に事業仕分け等と、得意になった結果が、ノーベル賞受賞者から批判されたことを思い出してもらいたいものだ。下手をすると取り返しのつかない重大な過失が起きてしまいかねない。事業仕分けのような重要な問題こそ国会ですべきで、結果を予算へフイードバックすることや調査や資料の事前請求など国会で行うのが最適なのである。
民主党は場外乱闘〔事業仕分け〕せずに、リング〔国会審議〕に上るべきであろう。いずれにしろ民主党の代表選に目が離せない毎日が続く。

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