国防について

ロシアのウクライナ侵攻、尖閣諸島周辺や南シナ海を含む中国の野心的な海洋進出、北朝鮮の核、ミサイル開発など、我が国に迫る脅威は、きわめて見過ごせない状況になってきている。特に隣国の中国は、日本にとって最も危険である。新型コロナの発生源や少数民族迫害、周辺国や弱小国には軍事的圧力や経済的威圧を加えるなど、弱い者いじめを恥ずかしげもなく行っている。都合の悪い事実を隠蔽し、息を吐くように噓をつく中国を同盟国と協調して締め上げていかねばならない。
岸田首相は政権発足に伴う記者会見で、「必要な防衛力を整備するための予算規模財源の確保を一体的に進める」と強調した。NATO加盟国の防衛予算基準が、各国の国内総生産比2%以上が明記されたことを受け、我が国もそれを目標とするとした。早急に実現してもらいたいと思う。
中国の尖閣諸島周辺の日本領海侵犯を常態化させている行動は、国連海洋法に明らかに違反しているが、中国政府にその意識はない。そのような不法行為に対して、日本は自衛権行使による実力排除が認められていると思うのだが、そのような対応をしていない。歯がゆい限りである。どこの国の軍隊も、領土や主権を侵害する不法な暴力に対し、自衛権を行使して排除するという必要な措置をとるのは当然なことなのだ。ところが憲法九条で禁止されているとされる「武力行使との一体化」に抵触するからできないのだと政府の説明には溜息をつくしかない。
現在の日本では、自衛権行使を認められているのは、防衛出動だけだとされている。防衛出動となると大規模な侵略を適用要件としているという。そうだとすると、もし尖閣を不法に占拠された場合には、その要件に合致せず、適用の対象にならない恐れがある。最近の我々の不安の正体は、周辺諸国が日本のこうした不備と緩みに付け込んできているという事である。北朝鮮工作員による日本人拉致はそれを象徴している。「日本潜入は、食事中にトイレに立つくらい簡単」と述べたのを聞いた人は多いはずだ。尖閣の実効支配も中国により、日々、突き崩されている。抑止力がないことが見透かされて、危機を呼び込んでいる。従って、自衛隊に世界の軍隊と同じ権限と機能を持たせることは喫緊の課題である。国民生活の基盤は、国の安全であり、抑止が機能しているからこそ、平和は保たれる。
憲法を改正して軍を持つこと。それが独立と自存への国家の覚悟を示すことになる。国民の財産と言える軍隊の活用を積極的に、かつ迅速に図ることこそ平和を保つ喫緊の課題である。