原発の推進は不可欠

毎日暑い日が続く。エアコン無しでは体がもたない。現実を見ない無責任な発言をする人たち、いわゆる原発不要論を声高に主張する人たちは、電力の事情を理解しているのだろうか。戦後無残なまでに荒廃した日本の国土が、技術一つで世界の先進国になり得たのは、ひたすら日本の工業を支えた上質な電力のせいであることは、誰でも知っている事実である。その電力が逼迫しており、このままでは国家の成長は望めないばかりか、国民の豊かな生活も望めなくなる。しかも世界的に見て日本の現行の電気料金は、きわめて高いばかりか、益々高騰する可能性が大である。ロシアのウクライナ侵攻や、円安等から、日本の基幹産業である製造業で、国内回帰を検討している企業はエネルギー資源の大半を輸入に頼る日本にとって、エネルギー安全保障の強化は絶対に必要な条件である。
去る3月に福島県沖での地震で、一部の火力発電所が停止した。さらに悪いことには気温の低下が重なった。慌てた政府は「電力需給逼迫警報」を出して、国民に節電を呼び掛けた。幸いに最悪の事態には至らなかったものの、危なかった。いわゆる薄氷の上を歩いている状況には変わりがなかったという事だ。岸田首相が電化政策を推進すると言っている以上、更に電力需要が高まるのは明らかである。再生エネの比率を高めるという手段は、もうすでに限界に来ており、太陽光発電の設備を拡大する余地は極めて乏しくなっている。しかも再生エネは天候に左右されるし、景観を損ねるし、雇用の拡大も生まない。経済が地元に還元されない。風力発電も風が吹かないと役に立たない。
従って、安定して発電できる「ベースロード電源」である原発を稼働させるべきである。専門家である原子力規制委員会の厳しい審査に合格した原発を動かすべきであるし、原発を再稼働すれば、燃料費は確実に減る。海外では、小型原子炉の商用化を目指す動きもある。小型原子炉は地下に埋設する構造のため、制御が非常に簡単で安全性が高い。原子力のような総合工学を商用化できない限り、日本の技術的な将来展望は開けないのではないのか。原子力をコントロール出来ないようでは、一流の工業国家とは言えないのではないのか。エネルギー確保は差し迫った国民の死活問題であり、悠長に構える余裕はないと思う。