農協は農家に必要か

農地の荒廃が続き、農業の衰退が問題視されているにも拘らず、農業を振興するために作られた農協という組織が、限りなく繁栄を続けている。合併を再三再四繰り返し、益々、巨大化している。一般農家にとっては、本来、身近であったはずの農協が、はるか遠い存在になってしまったとの、嘆き節も聞こえてくる。農家の人たちから聞いた話だが、農業用資材を購入するのに、農協よりもホームセンターの方が、はるかに安く購入できるそうだ。肥料にしても、農薬にしてもその通りで、農家のために作られた協同組合という組織が、組合員から搾取するという、とんでもない状況になっている。しかも、高い農業資材によって出来上がった農業の高コスト体質は、国民や消費者に高い食料品価格を負担させることになる。
農協という組織は、組合員の出資によって構成されており、組合員は出資の配当を受けることが目的ではなく、出資はあくまで共同活動を行う元手として位置づけられ、組合員は組合の事業を利用することによって、自らの生産や生活を向上させることをねらいとしている。したがって、協同組合は「組合員および会員のために最大の奉仕をすることを目的」としている」(鶯谷栄一「協同組合の時代と農協の役割」家の光協会185ページ)
農家は組合員として農協を利用して、農業用資材を安く購入したり、生産物を有利に販売するために、農協を作った筈である。農協は農家のために存在している組織である。それが農家自身の利益になるからなのである。農協という組織が大きくなるにつれ、独占的な地位を持つようになり、組合員に資材等を高く売る方が農協の利益につながるとして、組織自身の利益が本来の目的を離れて独り歩きしてしまっている。農協は、今まさにそうゆう方向へ進んでいる。農協の実態は、農業のための組織でもなくなっており、協同組合でもなくなっている。
農協の問題を整理しないと、未来の農業の足を引っ張る存在になることを懸念している。