情報の重要性

北方領土へロシアのメドベージエフ首相が強硬訪問した。 この時期に何故と思うが、日ロ間の領土交渉を有利に展開したいことに尽きる。 ロシア首脳部の相次ぐ北方領土訪問や、北海道漁民いじめ、中露連携のジエスチャーなどは、専ら交渉の立場を有利にせんがためのキャンペーンと思って間違いはない。 しかしながらロシアは、ここ最近ウクライナ危機によって、国際的孤立へと追い込まれていて身動きできないはずだ。 またロシアにとって深刻なのは、米露間冷戦かと称されるまでの状況が発生していることである。 さらに主要8カ国(G8)から事実上追放されている。 先進7か国から経済制裁も蒙っている。 国際原油価格の下落とルーブル安に見舞われている。
ここはロシアの足元を見透かした外交が必要だろうと思う。 日本は情報戦術に欠けると言われている。 それが中国や、韓国の歴史問題に後れを取っている最大の原因である。 ロシアと我が国は日露戦争で情報戦で勝ったと言っていいかもしれないと思っている。 当時ロシアは、英国から徹底的に憎まれていた。 英国はタイムズやロイター通信という国際的な情報網を持っていた。 英国の報道機構が何度も日本の勝利を報じ、その記事が各国の新聞に掲載された。 それによって国際的な心理や世論が動かされた。 世界の同情が日本に傾いたのであり、ロシアの無制限なアジア侵攻に重大な危機意識を持つに至ったのである。
いま中国が、軍事的な膨張による南シナ海の「力による現状変更」を行おうとしている。 今後、東シナ海へと出てくると予測すべきだろう。 尖閣諸島を核心的利益と表現し、「必要ならば武力で領土を守る準備はできている」とまで広言している。
膨大な情報戦である。 わが国も情報戦略に磨きをかけることが重要である。 先日街頭で主婦2人と高齢の男性1人が、戦争反対の看板を掲げていた。 これなどは、情報戦に長けた中露のまわし者なのかと思っている。

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