つくば市との合併について(1)
つくば市との合併協議会が、その是非について将来を見据えて検討しているようだが、どのように進んでいるか我々にはよく分らない。 分らないが、多分積極的に前に進めようという意見は、少数意見のような気がしている。 お互いの市が相手側の足らざるところを課題にあげて、困難な課題解決のために、一歩踏み出すことに躊躇いを持っているのだろうと想像する。 しかしながら、14年の民間研究機関・日本創成会議の報告から、土浦市も例外なく進む人口減の傾向が、他市と比べて数倍深刻である事を認識する必要がある。 県内でも人口流出者の数が、日立市に次いで2番目というのは深刻と言わなくてなんであろう。
土浦市は先人たちの努力によって、水戸市に続く県内第2の商業都市とし、大きく発展を続けてきた。 昭和30年代から他市に先駆けて、おおつ野や木田余や乙戸をはじめとする数多くの区画整理事業、神立工業団地や北部工業団地や日立グループ各社の誘致などによる開発により、人口増政策を着実に進めてきた。 結果、京成百貨店、西友、イトーヨーカドー、丸井、小網屋などの大型商業には人が溢れ、活気に満ちた街となっていた。
昭和50年代後半から、政策の違いということになるのだろうと思うが、陰りが見え始め、その後の地盤沈下に繋がっていったのである。 その後中心市街地の活性化計画というものを、何年も繰り返し続け、今に至っている。
都市とは機能であると思う。 しかしながら機能は、樹木のように自然に生い立ちはしない代物だ。 都市生活者自らが作り、試行し、慣用し、改造して発展させていくものである。 あるいは変革し、ふたたび試行し慣用するものだ。 そうゆう営みの進行が都市であると思うのである。 従って、従来の街づくりの考え方では、これからの街づくりは不可能なのである。 これからの地方都市は規模、能力の充実を図ることが重要なので、ますます日常生活圏が拡大していくのであるから、それに応じた街の拡大が必要条件になってくる。 要するに広域的視点に立って、道路や公共施設の整備、土地利用、地域の個性を活かした街づくりを、効果的に実施することを基本に据えた思考が大事だ。
従って、より公益的な観点からの街づくりの展開が必要なのであって、つくば市との合併問題は、まずは合併ありきからスタートするのが正解だと思う。