土地改良区について(3)

 国の農業についての政策がコロコロ変わる。 変わらざるを得ないほど、複雑だということなのだろうと思う。 私も土浦土地改良区の理事長になるまでは、ほとんど農業政策等には、関心さえも持っていなかった。
昨年12月に、農水省は新たな農業・農村政策を発表した。 農業における担い手の農地利用は、全農地の約5割でしかなく、しかも農業従事者の高齢化が急速に加速している。 耕作放棄地は全国で約40万ヘクタールと、年々拡大の一途を辿っている。 これらの難問を踏まえた上で、4つの改革と銘打って政策を作っているが、特に米については、主食用米編重ではなく、従来の減反政策の見直しを含め、麦、大豆、飼料用米など、需要のある作物の生産を振興し、農業者が自分で判断して作物を選択できるようにするとしている。
しかしながら、重要な部分が欠落している。 これら水田に水を供給している土地改良区の健全な運営なくして、これらの政策が推進できるはずはない。 土地改良区のある地域の運営状況を例に取ると、毎年約2百万円、支出が収入を上回っており、それを積立金で補足している。 これなどはあと3~4年で、確実に運営が行き詰まる。 賦課金を上げざるを得ないとは思うが、水田収入に見合った賦課金のバランスと云うものがあろうと思う。 米の価格が低価格に抑えられている現状の中で、賦課金のアップを組合員から承認を得るのは、極めて難しいだろうと推測している。
どうゆう訳か、そんな地域ほど公共施設が設置されるもので、その減った面積分の賦課金収入が減り、運営がますます困難になってくるのである。 「農業は国の柱だ」とか、「瑞穂の国の日本」とか口でいうが、口先だけとは思いたくないが、現実には商工業に比べて行政が配分する予算は極めて少ない。
農業環境の整備と云うのは、揚水機とか、用排水路とか、農道とか、公道の法面とか、畦道とかが完全に整備されていて、初めて農業環境が整っていると言える。 これらが十分に整備されているかと云えば、極めて未整備の状況で、行政当局はもとより政治家も全く無関心のようだ。 勿論、土浦土地改良区が管理している水路に流入している住宅地や、道路や、公園その他に降った雨水は、入らないような施策も重要である。 どうしても流入せざるを得ない場所については、発生する経費を払ってもらわなければならない
農家の実態を知らない人たちで農業政策を行っているという弊害が出てきている。 
たとえば、強い農業を目指して、農地を集約化する施策が展開され始まった。 国が農地を預かって整備し、大規模農家、農業法人に橋渡しをする「農地集積バンク」などがそうであるが、現実には、農家が農地に対する思いは 「農地は、地縁、血縁で貸し借りされるもの」との意識は相当に強いものがある。 TPPへの交渉参加で、海外から安い農作物の流入を心配する声が農家から聞こえるが、農業担い手の高齢化など、農家は様々な問題に直面しているのが現実なのだ。 衰退する農業をどう立て直すのか、農業の将来をどう考えるのjか、農業をやったことがない役人や政治家に、農業を理解するのは無理なのだろうか。 もどかしい限りである。