土地改良について(2)
現在の土浦土地改良組合の体制は、平成13年に八つの組合を合併して出来たものである。 それぞれの組合の設立時の水田面積の合計は、凡そ800ヘクタールであったものが、現在は
540ヘクタールへと、約35パーセントも激減している。 原因は開発が進んだことと、耕作放棄によるものであろうと思う。
800ヘクタールを想定してポンプをはじめ、すべての設備が設置されているために、様々な不都合が発生している。 ポンプの稼働時間は、水の需要期には常に各水田に、まんべんなく配水しなくてはならないから、電気の使用量は減らない。 ポンプ運転者の人件費も、運転開始と停止の時間は変えられないので従前どおりである。 送水管の距離を短くすることも不可能だ。
賦課金(管理するために耕作者が負担している金額)による収入は、面積が減っているからそれに比例して減少している。
したがって賦課金を上げざるを得ないと云うことで、ここ数年間少しずつ上げてきた。 今後も上げていかざるを得ないと思っているが、米の価格が毎年低く抑えられている現状では、相当に難しい問題だろうと思っている。
今、土浦市では、新消防庁舎を建設する計画でいるが、約13,800平方メートルの水田が対象になっている。 時を同じくして、都市計画道路真鍋~神林線が延長されるが、これも
約15,600平方メートルの水田が道路に替わる。 茨城県企業局県南水道事務所の増築計画も、現在進行形で進みつつあり、これまた24,500平方メートルの水田がその対象になっている。 合計で約54,000平方メートルと云う広大な面積が水田から宅地に替わる。
土浦土地改良組合としては、どんどん水田の面積が減少していくという現象は悪夢である。 賦課金が減少し、今でさえ資金不足で運営に重大な支障をきたしているのに、これ以上賦課金が減少していくということは、株式会社なら倒産の危機にあるということである。
土地改良組合の運営が暗礁に乗り上げ、機能停止の状態になったとしたら、間違いなく水田経営は崩壊する。 瑞穂の国から米が消えることになるのである。