土地改良組合について(1)

 以前にも述べたことがあったが、TPPで騒いでいる農業問題と云うのは、複雑多岐にわたるがなんと言っても一番の問題は米であろう。 瑞穂の国と言われる我が国は、農業問題と云ったら誰でもまず米が頭に浮かぶ。 関税で守られている米の価格がTPPで関税が大幅に引き下げられたら、今でさえ米農家の経営は苦しいのに、米を作る人がいなくなるということだ。
確かにそれもそうだが、それ以前に水田の維持ができなくなる恐れがあるのをご存じだろうか。
土地改良組合の業務は、霞ケ浦や、桜川などの水源からポンプで水をくみ上げて、網の目のように張り巡らされている用水路を経て、すべての水田に安定的に水を供給するのが目的である。 
したがって、いま田植えの季節を迎えて、各地に設置されているポンプ場はフル回転して、各水田に水を送水している。 ポンプの動力源は電気であるが、原発停止で震災前と比べて約50パーセントと大幅に電気料金が上がっている。 震災の影響で各種の水路が不具合になっている個所も多数あるし、水路そのものがヘドロや雑草で機能不全になっている。 この修理や管理に予想外の経費がかかっている。 ご承知のように現在の農家は、高齢化が進み農業に携わる人が極端に少数になっているために、昔のような勤労奉仕をする人の絶対数が少ない。 したがって、水田や水路や農道の管理が十分と云うには余りにも程遠く、水田は相当荒廃が進んでいる。 
これらにかかる経費は、組合員すなわち所有者から賦課金という名目で徴収しているが、毎年大幅に不足しており、不足分は過去の積み立てを取り崩して、やりくりしているのが現状である。 いずれ、それもやがて不可能になるのは目に見えていて、その対策をどうするか大きな課題となっている。 
さらに問題なのは、都市下水路や公共下水路が設置されていない地域の道路や、住宅街や、高台に降った雨水は、水田の水路に否応なく入ってくる。 その水路の管理は、土地改良組合員が納入している賦課金で、賄っているという不合理さがある。行政が調整すべき問題である。 賦課金を上げればいいではないかという意見もあるだろう。 だが米の価格が低価格に抑えられている現状から考えると、農家の方々をどう納得させられるか極めて難しい。 瑞穂の国の象徴である米を、なんとしても守りたいとは思う。 しかしながら米農家の現状は苦しい限りなのである。