土浦協同病院について
2月8日の土浦協同病院建設に関わる土地選定委員会では、建設場所の決定には至らなかったようだが、いずれにしろ近日中には決定することにはなるだろうと思う。今のところ土浦市にとって、他市に誇るものといったら土浦協同病院ぐらいのものである。その老朽化した病院を、JA厚生連は約250億円をかけて建て替えようというのである。
衰退のはなはだしい土浦市にとって、街の再生のために、なんとしても土浦市内に建て替えてもらいたい施設である。出来れば中心地に近いところに建設することによって、街のなかに人の往来を呼び戻し、市民の健康と安全を守る拠点とすることが望ましい。また病院を日常的に利用しているものにとっては、病院が遠くなるということは不安が増す。人間は誰でも歳をとり、潜在的な弱者になり得る。「安心と安全」を市政の重要な柱にしている土浦市としては、「やさしさ」や「やすらぎ」という理念は重要だ。現在の病院の場所は、長い間多くの人たちにとっては通いなれた道である。いちばん利用しやすい場所といえるのではないだろうか。
従ってこの際、土浦協同病院を中心とした街づくりを考えてみたらどうだろう。
街の文明といい、美というのは秩序があるということである。無秩序という街は都市とはいえない。最近、土浦市は過去になかったような物騒な事件が相次いで起こっている。数年前の荒川沖駅での大惨事。同じ荒川沖の大型スーパーでの傷害事件。スーパーの店長が売上金を持って帰途、マンション入り口での窃盗事件。各地での空き巣の犯罪等々枚挙に暇がない。かってこのようは事件は土浦市には殆どなかった。最高の治安対策は、いい街をつくることなのである。子供たちが賑やかに遊び、大人たちが談笑し、ときには職人たちが仕事をする広場や街路がある。周囲の家々からあふれ出る生活機能の受け皿になることで広場や街路は、地域の人々の生活と密接な関係にある。そして、広場や街路が個々の家々を互いに結び合わせる役割を果たしてコンパクトな都市が成立する。その中心に土浦協同病院がある。そうゆう人の心を安らがせてくれる街が実現したら、いい街になると思うが。