潮時
公私を問わず組織や団体のトップが、適当な期間で交代することは、その組織を活性化させるために、絶対に必要なことだと思う。しかしながら、なかなかそのようにはいかないのが、現実のようだ。せっかくの権力や名誉を手放したくない人が多いからだと思う。したがって、その組織は取り巻く環境や、社会全体が大きく変わってきているのに、それに気づかないから、組織の運営が実態に合わなくなってしまっている。
人間の世界では、いつも潮時というものがある。それが満ち潮の時は、何をやってもうまくいく。潮の方で自然に幸運の方に導いてくれる。ところが、潮時を間違えると、船が浅瀬に乗り上げて座礁するように、あるいは引き潮に巻き込まれて溺れてしまうような、悲惨な状態が生まれてくる。
勝海州は、これを「焔の時」と「灰の時」と呼んでいる。問題は灰の時の処し方である。じっと我慢の子が一番いい。たいていの人は焦って失敗する。
「春、夏、秋、冬」の四つの時は、おのおのその功を成し遂げると、順序良く移り変わっていくものである。人間にも四季がある。功成り名を遂げたら、潔く後進に道を譲るものである。
4時の序、功を成す者はさる。