景気を良くするには

 平成14年には、消費税が8パーセントに引き上げられる予定である。 このままのデフレ状態にしておくわけにはいかないとして、政府・日銀が連携して追加金融緩和策を決めた。  国債などの買い入れ額を11兆円上乗せすることで、大量のお金を流通させ、企業や個人が借りやすくなり、それによって投資や消費が活発になり、景気が良くなることを目指しているということだろうと思う。 
しかしながら現実問題として、企業が設備投資をするような、環境にあるとはどうしても思えないし、 個人が財布のひもを緩めるような状況にも思えない。
その証拠には、預金残高が過去最高の水準にとどまり続けているからだ。 その最大の理由は、誰もが景気の先行きや日本の先行きに大きな不安を感じているためだろうと思う。
バブル崩壊後、長期間続く不況や国際競争の激化に対応し、企業は正社員の比率を極端にまで減らし、人件費を削減し続けてきた。 その結果、個人の所得が減り、消費が冷え込み、経済を停滞させ、企業自身の首を絞める結果となってしまった。 要するにコストを減らしたら、モノが売れなくなってしまったということだ。 
この際重要なことは、賃金をなんとかして引き上げることだ。 賃金低下は税・社会保険料収入の伸び悩みを招き、結婚や子育てを困難にして少子高齢化を加速させてしまっている。 賃金引き上げについて、ある企業は思い切って正社員の比率を高めて、従業員の意欲を引き出し、業界トップレベルの経常利益率を実現した。 「人を大切にする会社」こそが、どうも業績を伸ばしているようだ。 
また公務員もこの際、大幅に増やす必要があると思う。 明らかに世界に冠たる安全な社会を作りあげてきた日本の警察力が、最近落ちているのを痛感させられる事件が後を絶たない。 尖閣問題や竹島問題を考えると海上保安庁の充実も喫緊の課題だ。 さらに国の安全が脅かされる懸念がぬぐいきれない。自衛官の増員も必要だろう。 元気な若者に働く場所を提供して、彼らに安定した収入を確保することは有効な景気刺激策になる。
人を単なるコストとみなし、使い捨てにしてはばからない風潮は、人と人のつながりや助け合いといった、社会保障を支える理念をも失わせてきたと思えてならない。
金融緩和と同時に人件費の引き上げと、大幅な官民挙げての働く場所を作り上げることが、景気アップの最も有効な政策ではないだろうか。