水田を守るためには

 長い冬休みが過ぎて、来月になると急に作業する人で活況を呈するのが水田である。 日本の国は、昔から瑞穂の国と呼ばれ、米作りが農業の柱である。 
その水田の水を管理しているのが土地改良組合であるが、水田の状況はここ2~3年とんでもないことになっている。
 水田に水を引くためには、霞ヶ浦からポンプで揚水して、送水管を圧送された水は、縦横に張り巡らされた給水路から、各水田に流れ込むシステムになっている。 現在の水田は、米より蓮根の作付けのほうがはるかに多い。 蓮根は一年を通して作業している。 したがっていつも水を必要としており、各蓮根農家は水田に自家用の井戸を持っていて、その井戸の圧力水を使って蓮根を掘っている。 水を大量に使って蓮根を掘るので、大量のヘドロが発生し、そのヘドロが排水路に流れ込み、排水路の機能が破壊されてしまっている。 その排水路の補修や改修には多額の経費がかかるのだが、民主党政権は給排水路維持補修等の予算をほとんどゼロに削ってしまったので、土地改良組合では給排水路の補修ができないという状況に陥っている。
 農家の戸別保障制度の導入ということで、土地改良組合等への予算をやめてしまったのが民主党政権の考え方なのだ。 因みに農家戸別保障制度は多くの農家の不評をかっており、利用する農家は少ないのが実状だ。
水田の排水路には、台地に降った雨水や住宅街の雑排水等も大量に流れ込んでくる。 その重要な役割を担っている水田の排水路を、水田所有者で組織している土地改良組合の負担だけで、維持補修するというのは明らかに不合理であろう。 
土地改良組合の組合員は、賦課金という名目の会費を納めている。 賦課金だけでは耕作用の安定した水の確保や排水路の補修はとても対応できない。 したがって、日本の水田はやがて持続不可能な状態になってしまい、米作り農家は無くなってしまうかもしれないという危機感がある。 
政治家も役人も農業は国の基本だといいながら、肝心なことは何もわかっていないし、わかろうともしないし、適切な対応をしようともしないというのが実体なのである。 
本来、台地に降った雨や住宅街の雑排水は、公共下水道で受け入れるべきものだ。 水田管理用の排水路で管理するものではあるまい。 水田の給水路は土地改良組合で管理をする。 排水路は自治体が管理するのが筋というものであろう。 このままでは、日本の農業の先行きは心細い。
土浦市も商業関係には年間億単位で支援しているが、食を守る農業にはほとんどバックアップをしていない。 日本の将来のため、どちらがどうだということではなく、農業を守ることは極めて重要だ。 その中で最も重要なのは、水田の給排水路の徹頭徹尾的な整備である。
やがて春になると空の青さを映して白く輝く水田に、青々と成長する稲とのコントラストの美しい日本の原風景を守るためには、水田のみならず、農業を飛躍的に成長させるための有効な政策が必要なのである。 水田の整備を公供がその必要性を認識し、精力的に実行しなければ、この国の農業に未来はない。