地球温暖化対策

地球温暖化の主要な原因となっている二酸化炭素の約3割を海が吸収し、温暖化の進行を緩和しているという新聞記事を読んだ。さらに記事は続く。海水に取り込まれたCO2は、PHが8・1前後と弱アルカリ性の海水を酸性側に変化させ、絶妙なバランスの上に成り立つ海の生態系を狂わせている。最近、北海道東部の太平洋沿岸で原因不明の赤潮が発生し、ウニやサケ、タコが壊滅的打撃を受けているのもその影響かと言われているようである。
もしそうだとしたら、ことは重大である。早急に有効な手を打たなければなるまい。
翻って政府の第6次エネルギ-基本計画を見ると、2030年度の電源構成(目標)は、再エネ36~38パーセント,原子力20~22パーセント、火力41パーセントとなっている。そして将来的には、再エネ100パーセントを目指すことに固執している。しかしながら、再エネは太陽光と風力発電になるが、これの実現はおそらく不可能だ。
なぜなら、風力発電は日本では風況が悪い上に適地が少ないと言われているし、洋上に設置すればコストが異常に高くなる。太陽光パネルは必要設置面積が膨大で、狭い国土の日本では全く不可能である。その上、天候などに発電量が大きく左右されて、暮らしや産業を支える電力の安定供給は果たせない。山本拓衆議院議員の公開質問状によると、現在の化石燃料発電量を全て太陽光で発電で賄う為に必要な面積は、東京ドーム13万個分となる。茨城県の場合、県全体の面積の2.1パーセントになり現実は不可能だ。
中国では脱炭素対応として電源構成の約7割を占める石炭火力発電所を次々と稼働を停止させた影響で、深刻な電力不足が3分の2の地域に及ぶとした情報もある。英国や欧州でも例年より風が吹かない日が続き、風力発電が十分機能せず、天然ガスが不足して高騰を招いている。
一方スエーデンの電源構成は、原子力38パーセント、水力40パーセント、風力12パーセント、その他再エネ7パーセント、化石燃料2パーセントと2009年脱原発政策を撤廃し、既存原子力を順次リプレースする方針を決定している。脱炭素には原発が有効だとしているのである。
結局、陸も海もCO2の排出削減を強化するためには適切な防御策はない。あるとすれば、唯一原発と結論ずけているのである。
我が国では、原発をめぐって「推進か反対か」という議論にすぐなるが、国民の多くは、もっとバランスよく、経済合理性も含めた観点で電力問題を考えていると思う。原発全廃で電力不足に陥り、計画停電が相次ぐような社会はだれも望んでいない。一方で100パーセントの安全を追求し、電力会社に巨額の投資を求め、電気料金が跳ね上がる事態も避けたいはずである。世界の多くの国が脱炭素に向かうざるを得ないが、やっぱり必然的に原発の新設に行くだろうと思われる。そうなるとウラン燃料の需要が逼迫し、代替燃料(プルトニュウム)が重要な役割を果たすとおもわれる。したがって核燃料サイクルの確立、しかる後に可能な限り原発を増やすという事になるのが正解かと思っている。
日本は原子力の平和利用の成功国として、原子力技術を軍事から徹底的に切り離した形で開発普及を促進し、それを人類全体の発展と社会的安定に結び付けていくことを目指すべきではないだろうか。