学校教育に個性を

友人に教育界を代表する教育者がいる。彼の教育に関する熱心な教育論には、いつも感心させられる。教育問題で議論を始めると、限りなく論点が広範囲にわたるので相違点も数々出てくるが、目指すところは常に一致しているので、終わってから爽快感がある。二人の共通項はこれからの日本は、創造力の豊かな人材をつくるための教育が最重要だとしている。
つい先日の6月11~13日に英国で開かれた先進7か国首脳会議での首脳声明を見ると、コロナで弱った経済回復が最重要だとして、雇用創出、インフラ投資、技術革新の前進や、地球温暖化対策として30年までの20年間で排出量を半減させる等々、達成するために取り組まなければならない難題が、盛りだくさん採択されている。したがってこれ等を達成するためには、若い研究者の育成が必要だ。これからの日本は、技術の研究開発が最重要課題だ。それは、単に製造技術だけの話ではない。パソコン・ソフトをはじめ優れたソフトの技術開発は益々重要になってくるであろう。半導体事業も国家戦略として動き出さざるをえまい。かっては世界を席巻していた日本の半導体も、今は他国に押されっぱなしだが、今後は猛烈に巻き返さなければならない。日本の半導体は凋落しても、メモリー、センサー、パワー半導体はまだまだ強い。開発を推進して製造につなげて本格的な量産体制を築くことが重要だ。
これまでの教育のように、教科書だけを暗記していればいいという事では、産業界の要請に適う人材を育てることはできまい。自分で物を作ったり組み合わせたりすることから、個性を養うという事にもつながってくる。
そのためには、民間企業で実績を挙げた人を学校の先生に起用したり、一芸に秀でた人を採用していくという事も必要ではないかと思う。偏差値秀才のみが官僚や、経済界のリーダーになってきていたのを思い切って見直して、柔軟な発想で機敏に対応できる人材の育成が必要だ。法律を守って働くだけではなく、実社会で起こっている変化を敏感にキャッチし、適切に対応していく能力を養うことが、これからの教育には求められると思う。