政治家とは割に合わないもの

昔から企業経営者が、政治にかかわることは禁句とされてきたように思う。その理由は、政治家を自分のビジネスに利用することになりかねないということからであった。その弊害が最近、特に、顕著になってきていると感じられて仕方がない。それは企業経営者が政治に無関心を装ったがために、立派な政治家が育たなくなった。そればかりか、企業の従業員までが政治に無関心になり、都市型サラリーマンが無党派層をつくり、投票率も下がり、立派な政治家が生まれなくなった原因を作っている。中国や韓国など敵対関係を隠さない国や、アメリカをはじめとする諸外国とのますます複雑化する外交や安全保障、さらには、経済の問題等々、一方、国内にはコロナ対策に見る医療行政の早急な充実、待ったなしに対策すべき少子高齢化問題など、深刻な問題が目白押しである。
我が国の官僚といわれている人たちは、世界で最も優秀であると評価されている。従って国民は、官僚が善導するという思い込みが強い。それは、あまりにも政治が貧困だったからだ。本来、国民の公僕たる官僚を使うのは、国民に選ばれた政治家だ。しかし、その政治家たちは、官僚を使うどころか、媚びを売っているように見える。官僚の陰に隠れて、利権をあさっているとしか思えないような事件がまゝ見受けられるからだ。また、最近驚いたことは、野党女性議員が森喜朗氏の発言を女性蔑視だと決めつけて、女性参政権の象徴とされる白い上着と白いバラを身に着けて登院した行為は、あまりにも幼稚でもありお粗末としか表現できまい。国会は言論の府であって、パフオーマンスの府ではないのである。
我々も、今のどうしようもない状況から這い上がって、子供たちもために素晴らしい日本を作るとすれば、それは投票に行くという行為にかかっている。経営者やサラリーマンは良心と良識に照らして、正しい政治家を選ばなければならない。これまでのように自分や会社に都合がいいから投票するのではない。不利益を免れないかもしれぬが、良心と良識で政治家を選ぶ、これが将来の日本を決めることになる。その結果、選ばれた政治家は、新しく法律を作って、行革でも、規制緩和でも強力に推進して、日本の進むべき道を築くべきなのである。
政治家が、口先だけの公約ではなく、本当に体を張ってやるなら、何度も当選して政治家を長くやれるわかがない。
多分官僚から総スカンを食うだろうと思う。さらに国民からも反発されるかもしれない。しかし、本当に国の事を思えば、たった一期、体を張って改革を進めるという、勇気のある政治家を選ぶべきなのだと思う。
政治はビジネスとして、最も割の合わないものなのである。

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