人事とは

人事の季節を迎えている。各官庁も企業も一番頭を悩ます問題だが、人事を見るとトップが何を目指しているかが分かる。
日露戦争の前夜、桂内閣の時代であるが、陸軍の参謀本部次長に児玉源太郎が就任した。当時、児玉は内務大臣だった。陸軍大臣も経験している。参謀本部の次長に回るのは、慣例破りの「職階降下」である。これを見て感じるのは、桂内閣がどれほどの緊張感をもって、国政に当たっていたかを窺い知ることが出来る。
今、日本は、コロナウイルスの感染拡大の回避に向けて、全力を挙げている。今後1~2週間が山場と見て、安倍首相は「率直に言って、政府の力だけではこの戦いに勝利を収めることはできない」「国民の皆さんの協力が必要です」と国民に訴えた。安倍首相の対応を不完全だとか、遅いとか批判するよりも、今は、我々国民全体が一丸となって、一致協力してウイルスを撲滅しなければならない。
日露開戦にあたって、桂内閣がどれほどの緊張感をもって国政にあたっていたか、その度合いが人事に現れた瞬間が、児玉源太郎の参謀本部次長である。
思い出してみると、東日本大震災は、菅首相のお粗末な対応によって、いたずらに混乱を拡大した。近くは「まだ東北だったからよかった」と語った、今村復興層は辞任した。女性問題でやめた政務官もいた。所管している法案を理解しているのか、怪しい大臣もいる。首相を「タイは頭から腐るという言葉をご存じか」と一方的に主張し、正当な手続きで首相になった相手を面罵する野党の議員もいる。
アメリカのトランプ大統領との貿易問題、中国との関係、北朝鮮の情勢、韓国との関係悪化、経済の低迷、デフレ脱却と、勝負どころだらけの安倍内閣で、今の顔触れは最強の布陣なのか。
国も、県も、市も、企業も、人事の重要さを認識した人事を期待している。