最近思う事

最近読んだ本に、5世紀から15世紀にかけての1,000年間で、日本の文学は全ヨーロッパの文学を凌駕していたと書いてあった。中国など全く問題ではなく、当時、アメリカもまだ存在していなかった。ヨーロッパでは小さな土地を巡って、王侯間の抗争が続いていた。日本は当時すでに、十分に洗練された文化を持っていて、文化的洗練度の指標である文学を見ても、万葉集、古今集、枕草子、源氏物語、新古今集、方丈記、徒然草と切りがない程豊富であった。二十世紀の知の巨人として知られるレヴイ・ストロースが本人の著書の中で、これらに匹敵するものを求めるとすれば、ようやく19世紀になってからの、シャトーブリアンの「墓の彼方からの回想」ぐらいでしょうと言っているのを見ても想像がつく。また、江戸時代260年にわたり、他国に例を見ない長期の平和を実現して、文化芸術の花を咲かせた。恐らく国民の識字率も、世界一だったと思われる。江戸末期、江戸にはすでに本屋があって、江戸に来たイギリス人達は、普通の庶民が本屋で本を立ち読みしている姿を見て、「この国は植民地にはできない」と早々にあきらめたとのことだ。「自国を統治できない無能な民のために、我々白人が代わって統治してあげる」というのが植民地主義の論理であり、庶民が立ち読みする光景は、本国にもないものだったらしい。
鎖国の後、明治となるといきなり、近代化に乗り出して、たった37年間で世界最大の陸軍国ロシアをやっつけてしまった。第2次世界大戦前には、すでに世界最大の海軍国の一つになっていた。 戦後、廃墟の中から立ち上がり、アッと言う間に世界第3位の経済大国にのし上がった。20年以上の不況が続いてなお、世界第3位の経済大国として存在している。この資源も何もない小さな島国が、なぜこれほど著しい実績を残して来たのか。端的に言うと日本人が持っていた「国柄」が素晴らしいものであったから、「文明の衝突」を書いたアメリカの国際学者ハンチントンは世界の八大文明の一つに日本文明を上げているのである。先人の作り上げた日本文明の非常に優れた独自性を、どう守り続けるか、子孫である我々の義務であると思う。