日本人は、微笑を喪失してきてしまっているのではないか。ここ数年そのような気がして仕方がない。確かに今の時代、自分と異なった意見には、一切耳を傾けようとしない傾向の人が多い。国会の論戦を見ていると、まさにその通りである。北朝鮮の核や、中国の脅威、更に我が国の人口激減等は、国家の存亡にかかわる問題なのに、野党は森友、加計問題を優先している。
政治家も含めて多くの人たちは、ツイッターやLINで気に入らない者を誹謗し、政治家であれ企業の幹部であれ学校の先生であれ、失態とみれば、すぐに責任を取れとばかりにつるし上げる。まことに殺伐とした時代になってきた。また、山ほどの商品を抱えて大声で騒いでいる海外からの観光客を、GDPをいくら押し上げてくれた、などと持ち上げて恥じない風潮も嘆かわしい。
グローバルな競争の時代になり、どの国もゆったりと成長できる世の中ではなくなった。これは経済の世界だけではなく、我々の精神のほうも同じである。しかしながら、もともと、日本人はこのような風潮をもっとも忌み嫌ってきたことではなかったろうか。大声で言挙げしない。強引な自己主張は控える。相手の気持ちを忖度する。事に当たって冷静でいる。友を裏切らず、他人を誹謗しない。仁や義を重んじる。こういったことがらは日本人の精神文化の核にあったはずだ。
それが最近、失われつつあるような気がする。ここは、もっと余裕を取り戻し、微笑を取り戻すことを心掛けたいものだ。