物価上昇はなぜ必要なのか

日銀が物価上昇の目標を2パーセントに掲げて6年が経つ。 ずいぶんと拘り続けているが、何故2パーセントなのか考えてみた。
物やサービスの値段が下がり続ける「デフレ」になると、企業や個人がお金を使わなくなり、景気低迷の悪循環から抜け出せにくくなる。 物価が下落し続けると企業は売上の減少を補おうと、従業員の賃金を下げようとする。 従業員は先々、給料が増えないと思えば、将来に備えて消費を減らそうとする。 それが企業の売上をさらに押し下げ、景気がますます悪くなるということになる。 では何故2パーセントが適当なのかという事だが、大きな経済危機に襲われても、物価がマイナス圏内に落ち込まないようにする「のりしろ」を考慮しているためと考えられる。 欧州中央銀行(ECB)なども目標とする物価水準を「2パーセント近く」に設定しており、世界の中央銀行の主流にも合わせているのである。
しかし一方、吉野家の牛丼についていつも思うのだが、こんなに旨いものが、呆れるほど安く食えるメカニズムが不思議だ。 駅弁の半額であるし、食べる場所とサービスをも提供してくれる。 食べる側としては、安いに越した事はないのかもしれないけれど、反面、どこかで誰かが苦労しているに違いないと思う。 衣料品なども、信じられない程の安い価格で売られているのを見ると、作っている人の悲しみを感じていまう。 安売り競争や何でも安ければいいという風潮が、世の中をみすぼらしくしているように思える。
一方、ブランド品を漁る風潮もいまだ健在だ。 アウトレットに群がって、さして必要でもないものを衝動買いする。 大型店や安売り店ばかりにお客が集中して、地方都市の駅前商店街は軒並みシャッターを閉ざす。 かってあれほど活気のあった街の文化はどこへ行ってしまったのか。 要は我々一人一人が、どうすべきか考える必要があるという事だ。 2パーセントを達成するため、安物を買う事をやめ、街の文化をとり戻し、健全な経済生活を確保することを皆で努力する事だ。
せめて「武士は食わねど~」みたいな矜持を持ち、懐は寂しくとも、安売りに目の色を変えるような、さもしい真似はしたくないと思う。