農業について

土地改良区の理事長を引き受けて約3年になるが、農業に対して行政のいい加減さに腹が立つ事がしばしばだ。 土地改良区の業務は、水田に水を安定的に供給する仕事を、主たる業務としている。 米にしても蓮根にしても、水が命だ。 その貴重な水を豊富に供給するには、霞ヶ浦からポンプで水を汲み、その水が水路を通って水田に至る。 ポンプを動かすために電気料がかかるが、東日本大震災以降、原発の停止により、電気料金が震災前に比べて約3倍になっている。 水路は土水路が多いので、整備をしなくてはならない。 農道は未舗装がほとんどだ。 住宅地に降った雨は農業用水路に入ってくる。 しかも住宅地の大量の雨水を、土地改良区のポンプで汲む地域まである。その経費を土地改良区に負担させている神経が分からない。 しかもこれらに対する公共事業費は微々たるものだ。 行政当局に要求しても予算がないと断られる。 土地改良区の維持管理費は、耕作者の賦課金に頼っている。 その賦課金が米の低価格により、農業者の体力を奪っているため、引き上げが困難だ。 水田を横切って新しい道路を建設する政策は、毎年のように行われているが、その十分の一の予算を農道整備にかければ、土浦市内の農業用道路は多分完璧になるだろうと思う。
国も地方も農業の重要性は認めているが、口だけである。 実態はほとんど重要政策として認められていないし、その証拠に予算配分が、あまりに貧弱である。 図書館や、市庁舎や、プール、野球場の整備の方が、はるかに重要だとの位置づけなのだろう。
国は強い農業を目指して、農地の集約化する施策を展開中である。 国が農地を預かって整備し、大規模農家、農業法人に橋渡しする「農地集積バンク」なども、あまりうまくいっていない。 農家の農地に対する思いは、「農地は地縁、血縁で貸し借りされるもの」 との意識が強いのである。 そのあたりの認識がないのであろう。
農林水産省によると、コメ農家の平均年齢は約70歳。 農家全体の平均年齢を約4歳上回っており、後継者確保に猶予はならない。 耕作放棄された田畑は全国で約40万ヘクタールと埼玉県をしのぐ。
TPPへの参加が決まっており、やがて海外から安い農産物の流入を心配する声が農家から聞こえるが、農業担い手の高齢化など農家は様々な問題に直面している。 衰退する農業をどう立ち直すのか、喫緊の問題であるにも拘らず、行政の無関心さが続くのはどうしたことなのだろうか。 農業をやったことない政治家や役人に農業を理解するのは無理なのだろうか。 もどかしい限りである。