イプシロン打ち上げ成功

 ついに「イプシロン」の打ち上げに成功した。 大勢集まった観衆は、歓喜の渦に沸いた。 その技術力は素晴らしいものがある。 日本の技術力の精緻さを世界に見せつけた快挙である。
以前にも日本製の宇宙船「はやぶさ」が、その技術開発の素晴らしさを世界に示した記憶は新しい。 宇宙開発の先進国であるアメリカでさえ「はやぶさ」の成功に驚倒し、同じ試みの準備を始めたという。 新しい文明は、いつも新しい技術によってもたらされる。 それは歴史の公理でもある。 人間は火を恐れずに使うことによって、猿から離れ、人類として独立した。
資源のない日本にとって、科学技術力の向上は国益にかかわる。
しかしながら、日本の科学技術力競争力は、低下傾向にあるという。 その原因はいろいろあるようだが、
1、公的支援の低迷。
2、研究環境の劣化や人材不足。
3、省庁縦割り行政に起因する連携活動システムの欠如が主なものだという。
あのノーベル賞の山中博士が率いる京都大学の研究所でさえ、実態はお寒いもののようである。 所属する教職員は198名、うち大学による正規雇用は24名だそうだ。 残りは研究資金による時限付き任用職員だという。 大学としては、人的資源を長期的に特定の分野に集中投資することは、このような重要課題ですら困難のようである。
一方、米国は日本の数十倍から、百倍の研究費をかけている。 これで日本が、世界との競争に勝てるかと言われると余りにも心許ない。
安倍政権は、強い日本経済を取り戻すことを目標に掲げた。 手っ取り早い方法は、次世代企業の誕生の加速化が、急務であろうと思う。 大幅な公的資金の拡充を図り、民間資金との相互乗り入れを可能にして、革新的技術の社会実装への取り組みを、積極的に支援する必要がある。
人間の社会は、石器時代から、銅器時代、鉄器時代を経て、やがて中世を迎える。 中世は火薬と印刷技術、そして大航海の技術によって近世が開け、近世を経て、現代は原子力の技術、宇宙遊泳技術、そしてエレクトロクスを駆使しての大情報化時代となり、さらに新しい可能性の模索を強いられているのである。 
科学技術への取り組みは、日本の将来を決定づける。