市街地中心部に人が集まる仕組み〔5〕

今まで述べたような理由で、現在、市役所の建て替えを進めている自治体は多い。しかし、現下の厳しい財政事情の下、その費用の確保が大きな課題となっている。そこで、国土交通省の
「まちづくり交付金」等を利用して、市役所と人が集まってくる様々な施設を一体的に整備している例を挙げてみると、新潟県長岡市が頑張って実現した。長岡市は、市内に分散していた市庁舎を中心部に集約移転するとともに、アリーナや屋根付き広場、文化ホール等を併設し、「市民協働型シテイホール」として整備した。市役所職員がもっぱら使用する執務室や議場・委員会室等は市の単独事業で整備したが、それ以外の屋根付き広場、公会堂、市民活動ホール、トイレや駐車場といった共用部分はまちづくり交付金を活用して整備した。全体事業費138億円のうち、交付金対象事業費69億円〔うち、国費27億円〕であった。ちなみに、長岡市の森民夫市長は全国市長会の会長をしている。因みに森民雄市長は、かって茨城県に国交省から出向していて、県行政に大きな役割を果たしてくれていた人物である。
また、規模は小さいが、岐阜県の中津川市では、商業施設の撤退により空きとなった駅前ビルに市役所の分室や行政窓口、コミニュテイホールや会議室等を整備している。この場合も、市役所の分室等を除く市民向け施設については、まちづくり交付金を活用しており、全体事業費7、1億のうち交付金対象事業費5、4億〔うち、国費2、2億円〕となっている。
まちに元気がないのは、要するに人が集まらないからであり、人が集まらないのは惹きつけるものがないからである。どうすれば人が集まるようになるのか、知恵をしぼるしかない。中心部に市役所をという発想は、最も有効な人集めの方法であろうと思う。