円安対策と地域の活性化

大幅な円安基調が続き、海外で生産された製品の輸入価格が値上がりしたり、生産拠点のある新興国で人件費が高まったりしている。したがって、日本のメーカーが人件費の安い海外で生産するメリットがなくなってきており、国内生産を目指す傾向が強くなってきている。これは、国内製造業の空洞化に歯止めがかかるばかりでなく、地域の活性化のための企業誘致を積極的に推進する好機到来ということだろうと思う。
土浦市は、以前から企業誘致を掲げているにもか替わらず、具体的には全く進んでいない。
企業の国内回帰の具体例はすでに始まっている。「中国・東南アジアの工場を根本的に見直し、メインを日本に持って帰る」キャノンの御手洗富士夫会長は記者会見で明言した。アイリスオーヤマは11月から順次、中国で生産する収納用品の一部を国内3工場に移管するという。ダイキン工業は、今年中に国内向けの家庭用エアコン150万台のうち、約20万台の生産を中国から滋賀県の工場に移す。滋賀県は、海外工場を閉鎖して県内工場に統合する企業の新たな投資等への助成制度を設けている。
パナソニックは空気清浄機の国内生産を再開したようだ。2005年に、すべて中国生産に切り替えていたが、円安や人件費高騰などで、国内回帰に踏み切ったのである。部品の約9割を国内で賄い、うち半分を愛知県内で
調達するということのようだ。
車両部品製造の山口電気工業は、秋田県内の工場で自動車の燃料噴射装置に使う部品の製造を始めた。中国からの移転である。市は施設整備などを支援することに決めた。
これらの企業群の移転は、国内製造業の空洞化に歯止めがかかるばかりでなく、地方の雇用確保にもつながり、地域の活性化に大きく寄与される。
茨城県内では、県西地区で工業団地の造成が進んでいるが、土浦市は、今一積極的でないのはどうしたことか。埼玉県内は、すでに工業団地の適地は少なくて、今や茨城県が注目されており、周辺環境としては絶好のチャンスが到来しているのである。土浦市としては、人口増や税収の切り札と思われる企業誘致に全力を挙げるべきだと思う。