二世議員の弊害

岸田首相が長男を首相秘書官に任命したが、大いなる疑問を感じる。国は本当に能力もあり、胆力もある人材を求めているのであるが、首相自らが逆のことをやっている。実力のある若者を求めるなら、多くの対象者に広くチャンスを与えるべきであろう。政界は、主要な政治家は、ここ三十年ほどの間に、二世、三世の議員が主力を占めるようになった。二世、三世が悪いという事ではない。優れた政治力の資質というものは、遺伝するものかもしれない。安倍さんも三世だったし、麻生さんも福田さんも二世首相だった。しかし、二世三世には、一世のような自力で這い上がってきた人、特有の野性的ともいうべきバイタリテイに欠けているきらいがある。
あるいは一世に負けまいとして、虚勢を張る傾きがある。アメリカのブッシュ大統領のイラクをはじめとする国際社会への強気の態度の中に、二代目だと言ってバカにするなよ、といった武田勝頼のようなツッパリが感じられた。
今の政治家が小粒になっている理由の一つに、世襲の問題があることは必須である。彼らの多くが極めて狭い社会で生きてきているという大きな欠点がある。小さいころから、裕福な家庭の子供ばかりが通う、私立の有名大学付属校で学び、受験も経験せずに大学に入り、ほとんど社会でもまれることのないまま、親の後を継いで議員になった。地元の公立学校で大勢の、さまざまな家庭環境の子供たちと、揉まれながら一緒に学び、受験勉強をして、高校や大学に進学し、会社勤めや自営業や様々な経験をした若者とは、明らかに違う。
必然的に考えることの幅が狭いし、苦労をしていないから理想主義的な国家観だけで、突き進もうとするきらいがある。
現代のように、ロシアがウクライナに侵攻し、多くの民間人を殺している。北朝鮮は、ミサイルを日本の頭上を越えて発射している。しかもそのミサイルは、4000メートル離れている米領グアムを実際の射程に収めたことになる。中国の軍拡はとどまるところを知らず。いつ日本の安全が脅かされるかという危機の中で、頼りない政治家をどうするか、日本の国は重大な局面を迎えているような気がする。