政治家の度量

 日本維新の会の橋本代表の発言が物議を醸していたが、最近はどうやら落ち着いてきたようだ。 しかし彼の言ったことは根本的には間違っていない。 「日本軍が慰安婦を強制連行した」という点を明確に否定した意味は、きわめて大きいと思う。 日本の政治家や政府が、明確な説明を怠ってきたために、韓国の主張が広がり米国にまで誤解されている。
批判されても持論を曲げず、はっきりと主張する橋本代表の姿勢はほかの政治家も見習ってほしいと思う。
日露戦争を勝利に導いた大山巌という人物は、度量の大きいことで知られている。 
司馬遼太郎の「坂の上の雲」の中に、203高地の激戦の最中に「今日は大砲の音がしもうすが、どこぞで戦がごわすか」。 参謀部にふらりと現われて尋ねたそうである。 
しかし大山はぼんやりした人物ではない。 幕末には自身で大砲を設計し、戊辰戦争で各地を転戦した戦略、戦術のプロである。
のちに、孫から総大将の心構えを聞かれ、「知っちょっても知らんふりをすることよ」と答えている。
日露戦争で日本海海戦を勝利に導いた作戦参謀秋山真之は、戦闘のさなかも双眼鏡を覗かなかった。 「視野が狭くなる。自分は肉眼で大局を知ればよろしい」と常に言っていたそうだ。
幕末から明治にかけて、わが国には、度量の大きい豪胆な人物が大勢いた。 それに引き換え、今の政治家たちがあまりにも小粒になってしまったのが残念である。
その中でわずか橋本代表に、その素質を見るのだが。