北東アジアの根深い反日思想

北東アジア諸国のナショナリズムの意識構造は中華思想を原型にして、その上に各国の新国家主義や、民族主義が重ねられている。 特に中国、韓国、北朝鮮の「反日のトライアングル」は、相当強力に出来上がっているとみるべきだろう。 それなのに、わが国では自民党もそうだが、民主党政権では北東アジアとの関係を 「北東アジア共同体」 などの言い方で模索しようとしていた。
日本人は、頭の中でアジアと連帯していると思っているかもしれないが、それは見当違いである。 反日を国是としているこの三国の、内側の論理を冷静に考えれば一目瞭然だ。
中国の尖閣問題にしろ、韓国の竹島問題にしろ、日本人には到底理解できない理不尽なことが次々と続く。 最近中国は、沖縄も自国の領土だと言い出した。 内政問題であるはずの靖国神社に日本の閣僚が参拝したといって騒ぐ。 以前の話だが、サッカー・アジア杯での中国での試合が終わったあと、日本選手が引き揚げるために乗り込んだバスを囲んで 、「反日」 騒擾事件で我々が見たあの人民の狂態ぶりと、中国政府の我関せずの態度は記憶に新しい。 尖閣の国有化問題で日本企業や、商店に対する破壊活動や中国艦艇によるレ-ダ-照射事件は到底許しがたい暴挙だ。
自国民への人権弾圧と、政権腐敗に対する人民の批判をかわすための反日と、分かっていても腹立たしい。
韓国の朴大統領は、オバマ大統領に「北東アジアの平和のためには日本が正しい認識を持たねばならない」と訴えたと新聞にあった。 世界のどの国にも 、「正しい歴史認識」 等あるはずもなく、国や民族ごとに 「自分たちは正しいと思っている」 歴史認識しかないのが分からないのかと思う。 今の日韓関係の悪化は、昨年8月に、前任者の李明博大統領が、竹島に強硬上陸したことにある。ギクシャクの原因は韓国側にあるにもかかわらず、日本側にその責任があるように装う。 一言でいえば恥知らずなのである。
北朝鮮は自らを「強盛大国」と称して軍国主義化を強め、世界の共産主義の中心とうシナリオを描いている。
今日、独裁、マインドコントロール、排他主義と攻撃性など、まさにカルト集団の特徴を明瞭に示している。核兵器、ミサイル、拉致のカードを使ってアメリカや日本から食料を引き出そうとしている。 
これらを見ていると、日本の彼らに対する贖罪が、この地域の和解と協調に、貢献するという従来の論理では、中国、韓国、北朝鮮との問題は乗り越えられない。
かって福沢諭吉が「脱亜入欧」を主張した。福沢諭吉が「世界は広い。その広い世界が、駸々乎として自由を求め、権利を求めて進んでいる。それが世界の大道なのだ。日本としては国を開き貿易を盛んにし、欧米と交際していくことこそ世界の大道にもとらぬことであり、その声を大きくして叫ばねばならぬ」と事あるごとに言っていた。 福沢諭吉の言う通りに国家を運営をしてきて、日本は近代国家の仲間入りを果たしたのである。
「北東アジア共同体」は安手の幻想である。 彼らのナショナリズムが生々しいうちは、密着すると日本は被害を被るだけであり、外交は等距離で中庸を保つのが良い。

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