コンクリートから人への重大な誤算

集中豪雨で甚大な被害が続出している。 豪雨の被害から、人々の命と生活を守るためには、河川の整備とダムの建設が最も有効であろう。 河川の整備とは、川幅を広げることと、堤防のかさ上げと、頑丈な堤防の建設だ。 いずれにも大量のコンクリートが必要である。
ただ、河川の整備とは、川の流れのすべてにおいて、文字通り「水も漏らさぬよう」に完璧に建設しなければ意味がない。 万一、どこか一か所でも弱いところがあれば、そこから豪雨のとき決壊してしまい、洪水となり被害が出てしまう。 したがって、画期的な技術革新が「ダムをつくる」ことになるのである。ダムは大雨が降った時に、ダムで水をせき止め、一気に下流へ水を流れて行くことを止められるからである。
世界の歴史を見ても、洪水とどう付き合うかという課題は、人類がこの世に生れて以来、悩ませられてきた大問題である。 われわれが小学生の頃、さんざん勉強させられた四大文明ー黄河文明、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明は、いずれも、大きな川の流域に出来上がり、洪水と戦いながら発展したものだったし、当時、世界最大の町と言われた江戸も洪水との戦いの中で発展した。 
大きな問題になった八ッ場ダムは、首都圏を流れる「利根川」の上流に建設されつつあるダムである。 1947年9月に発生したカスリーン台風による被害は甚大なもので、関東地方や東北地方に大きな災害をもたらし、利根川では未曾有の大洪水が発生し、東京都だけで約73,000戸の家屋流出や、多数の死者、行方不明者を出した。
 
したがって、八ツ場ダムは首都圏を水害から守ることを重大な目的の一つに計画されている。 さらに、首都圏の水需要の増大にも対処するために計画されたものなのである。 このような重要なものに対して、民主党は八ツ場ダム反対をマニフエストに掲げ、衆議院選を戦い政権交代をした。 また国民はこのような民主党に政権を委ねた。 その結果が集中豪雨での、とんでもないほどの大被害をこうむったのである。
民主党の掲げる「コンクリートから人へは」国民を自然災害の犠牲者にした。 
最近の見逃せない社会現象に素人がわがもの顔に闊歩することが目立つ。 民主党議員の浅はかな価値観を社会に押し付けようとした結果が、国民を未曾有の不幸に貶めたのである。 次の選挙は間違わないことである。

 

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