イトーヨーカドーの撤退は防ぐべきだ〔3〕

  かって、土浦中心街には大型の商業施設〔西武、京成、丸井、イトーヨーカドー他〕が五店舗以上もあった。 その周辺には中小の商店が軒を接して、それぞれの特色を出して活発に商売をしていた。 実に活気に満ちた、生き生きとした、賑わいのある中心商店街があったのである。 
当時、今のモール505は約500台を収容する市営駐車場で、土日祝祭日はもとより、平日でも駐車待ちの車が、周辺の道路にはみ出すほどの活況を呈していた。 歩道には買い物客を中心とした人々で、溢れるかえるほどの盛況ぶりだった。
その土浦中心商店街が、まるで坂道を転がるように衰退してしまったのは、昭和60年に開催されたつくば万博で、常磐線の土浦駅からの観客輸送対策として、高架道を建設したことが大きな原因であると思っている。 高架道を建設するために、500台収容の市営駐車場を閉鎖してしまった。 それまで土浦商店街へ足を運んでいた人々は、市街地中心部にあった便利な駐車場がなくなってしまったために、来たくても来れなくなってしまった。 高架道建設が問題であったかどうかはさておき、駐車場を閉鎖してしまったことが原因であったことは間違いなかろう。

重要なのは当時の関係者が、判断を誤ったということである。 その立場にある者が、判断ミスをすると、その影響はとてつもなく大きいということだ。 
新聞報道や噂によると、イトーヨーカドーが万一撤退したら、土浦市役所をという声があるやに聞く。 市役所が駅前に立地した場合を考えてみよう。 来庁者の回遊範囲は半円形の区域にとどまってしまう。 〔残りの半円形は事実上鉄道線路にブロックされてしまう〕。 一方、市役所を駅から歩いていける程度の場所に立地した場合、来庁者の回遊範囲は、円形、さらには楕円形の区域に広がることになる。 したがって市役所は、駅前500m~1Km程度の「歩いて行ける範囲」に立地させ、来庁者が市役所周辺の商店街で回遊し、飲食、買い物等を行うよう誘導することが、都市計画として適切である。
駅前は、賑わい、華やかさが必要である。 駅前に市役所を作った場合、休日はもとより、平日も夕方閉庁後はシャッターが閉まる。まるで駅前をブロックすることになってしまう。 ますます活気が失われ、沈んだ街になってしまう。
イトーヨーカドーをバックアップして、撤退を思い止まらせることが、この際取るべき唯一の方法なのである。