国益のため喜ぶべき鳩山首相退陣

鳩山首相が退陣した。
この8ヶ月、心ある国民の多くが地団駄を踏む思いで、鳩山民主党政権の一日も早い退陣を祈ったのがやっと実現した。
今回の退陣劇は、鳩山首相の米軍普天間飛行場移設問題の迷走に象徴される政治指導者としての資質、能力の欠如にある。
鳩山首相が致命的であったのは外交センスのなさである。
日米合意を無視して普天間移設問題に火を付け、すでに明らかな「核持ち込み密約」をこと改めて政治問題化した。
損ねる必要もない日米関係をことさら悪化させ、理想論を語るだけで安全保障の根幹を理解しようともしない。
中国が軍拡をますます強めているにもかかわらず、「日米中は正三角形」などと、同盟国である米国に距離をおこうとする姿勢や、インド洋から海自艦を撤退させると言った無定見、普天間問題ではなんの見通しもないまま、「飛行場の移設先は国外か少なくとも県外」との幻想をふりまいた。
最低でも県外と言うなら、それは申し分のない政策であるが、それをかなえるために何かをしただろうか。
否である。自分では何もせず「そうなればいいな」と祈っていただけのように映る。5月4日に沖縄を訪問したときの記者団に、「公約と言うのは、選挙のときの党の考え方で、最低でも県外と言う発言は私自身の党代表としての発言であって公約ではない」と訳の分からないことを言った。
退陣に当たって国益を損なったことへの反省もなく、自身の資金管理団体の虚偽記載問題では相変わらず秘書に責任を押し付け、自分は被害者のような言いぐさに終始する。
挙句のはてに「5年、10年たてば必ず分かっていただける日が来る」と自賛した。
このような鳩山首相の神経を理解する寛容な国民は一人もいまい。
あれだけ注目されて、本人も明らかにする約束をした自身の巨額資金の 使途は、ついに明かにされることはなかった。
鳩山首相が発足した昨年9月は70%を超える支持率があったが、最後は50ポイントも落ちた。
これだけ短期間に落ちた政権は過去にはない。それでも悪びれない鳩山首相は、欠陥人間なのではないだろうか。
要するに正常な人間の資質を全く失っているとしか思えない。
奇人、変人の部類に入る。

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