庭の山茶花〔CO2対策〕

 家の東隣との境界ぎわに、結構入念に手入れされた山茶花がある。 そばに樹齢150年は超えると思われるひばの大木があって、山茶花はそれに比べると幅はさほどではないが、木の頂はすぐそばの塀をはるかに抜いて、枝の先は明るい空までのびている。
その枝頭にも花が咲いている。 木の周りの湿った地面に夥しい白い花びらが散っている。 そして木は、まだたくさんの蕾みをつけている。
寒くなるのを待っていたように咲き始めた花は、ひらききるやいなや、すぐに散り始めるものらしい。 そういったことに、別に今日はじめて気づいたわけではない。 塀ぎわの山茶花は、書斎からまっすぐ見える場所にあって、部屋に出入りするたびに目に付いた。 花は白である。 晴れた日はさほど目に付かない。むしろ貧しげな花だが、早朝などは、花がある一画だけが、ほのかな明るみに包まれて、あ、山茶花が咲いているなと思わせるのである。 
冬ざれの今、唯一青々とした葉を茂らせているのは山茶花だけである。
これから電力需要が高まる冬を迎える。 冬は夜が長いために照明時間も長くなり、給湯、暖房もと続く。2009年度の家庭部門のCO2排出量は、1990年度比で26、9%増加している。 しかも夏季はエアコンによる冷房が主だが、冬季の暖房はエアコンに加え、電機、灯油、ガス等のストーブやフアンヒーターなど多種多様である。どうしたってCO2の排出量は増えてしまう。 冬期は木々の葉も落ちる。CO2を吸収するのは山茶花ぐらいのものだ。
そういえば、CO2の吸収率の高い樹木の代表は杉だそうだ。 したがって成長の早い杉は、温暖化対策にもってこいの樹木である。 杉にとって最適な気温は、年平均15度ぐらいといわれている。CO2が増え、国内の平均気温があと1・2度上昇すると最適となり、より花粉を増やすことになるそうだ。一昨年のデーターによると、国民の26・5パーセントが杉花粉症の患者といわれている。 
杉山や林の手入れを怠っているのが、花粉増加の原因のひとつである。
快適な生活を確保するために、我々は庭木の手入れは勿論のこと、自然界の樹木の手入れを徹底的にやり、なお且つ、CO2発生を低くする燃料を心がける必要があるのではないだろうか。 市民に対してさまざまな動機付けをすることは、行政の重要な役目であろう。

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