歴史小説で街おこし

古くからの友人が三冊目の本を出版した。 もと新聞記者だけあってさすがに筆が立つ。 新聞記者出身の作家は司馬遼太郎をはじめ多い。 彼が二冊目に出版した本は、土浦の歴史がふんだんに出てくるので、街の宣伝に一役買っている。是非、大勢の市民にも購入してもらい、土浦出身の作家を育てたいものだ。
四冊目の出版予定は、「坂の上の雲」でテレビ放映されている乃木希典にまつわるものである。彼の調査によると、乃木希典の
母親はどうやら土浦市出身らしいので、なんとかものにして、まちおこしに寄与できればと思っているようだ。 是非応援したいと思う。
優れた歴史小説は、固定観念やイデオロギーを断ち切ってくれる。 石田三成がよくいわれるような、人望が薄く、ただの行政官僚に過ぎない人物だったとするならば、いくら豊臣の威光を背負っているとはいえ、徳川を上まわる軍勢を関が原に集められただろうか。 諸国の大名は「街道一の弓取り」といわれた250万石を擁する大名の成功報酬と、たかだか19万石の佐和山城の大名の成功報酬とのどちらを信用するかといえば、答えは明らかであろう。
史実とは、大方が成功したあとの政権によって書き残されたものに過ぎない。 優れた歴史小説は、作家の創造力によって、その史実の壁を打ち破り、新しい解釈を与えてくれる。
未来が読めないときこそ、過去に多くの教訓が隠されているということだ。 歴史は常にくりかえす。 現在の日本は、いささか色あせてはきているが、多くの国民はアメリカに経済戦争で勝っていると思っている。しかしながら、将来はTPPでやられるかもしれない。
日露戦争で勝ち、その後、昭和十年代までの海軍、陸軍のリーダー達は、世界の経済は東京中心で回っているといって憚らなかったことを忘れてはならない。
その頃の土浦市は、軍人たちによって活気に満ちていたようだ。 これからは、古い城下町の名残があり、いろいろな史実があり、それを掘り起こした歴史小説によって宣伝するというのも面白いと思う。 手段を選ばず活用できるものは何でも利用して、街おこしを考える必要を痛感する。

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