最高の治安対策

住む街の最高の治安対策とは、一言で言えばいい街をつくることである。 
都市の美しさとか文明というのは、秩序ある街のことであると思う。 無秩序というのは都市ですらないと言うことだ。 都市の定義が秩序の美しさにあるとすれば、日本で都市といえるのは数少ない。 ほとんどの都市は単なる聚楽か、工事場か、人間の置き場に過ぎないと思えてしまう。
秩序が感じられないから、都市のど真ん中に住んでいても、いささかも人の心を安らがせてくれない。 したがって治安も悪いのである。
京都の街並みは秩序の美しさを感じさせる代表だろうと思う。 昨年の暮れも押し詰まった頃、訪れた京都で感じたことだが、京都の街の秩序は油断して歩いていることを許さないような雰囲気がある。 街路を歩きながら京の街角は、常に何かを教えようとしているのである。 現代の文明や文化を、京都の住民は皆で肩で担っている。 ひよっとすると、街の辻や居酒屋でそうゆう人に出会うかも知れない、というときめきを感じることが度々ある。
僕は先斗町の軒下を拾い歩くのが好きだ。 先斗町の闇の色がいい。この闇の色は、川原町通りのネオンが華やいでいればいるほど、その陰影としての先斗町の闇が緑色さえ含んでいるのではないかと思えるほどにいい色に深まっていく。
都市の文明といい、美というのはまさに秩序のことだと痛感するのである。 パリだってその美しさや、良さはその秩序美にあるのである。 街づくりの原点はいかにして秩序美を演出し、それを維持するかにあると思う。

Follow me!

つぶやき

前の記事

規範意識の薄れ
つぶやき

次の記事

歴史小説で街おこし