裏道路を歩いてみたら

どこの街へ行っても、大通りという大通りは、ほとんど同じ顔になってしまってその街の特徴を表していない。したがって何処へ旅行しても、あまり感激が浮かばないのだ。フアストフード店もコンビニエンスストアも、みな同じ顔をしている。そのうえユニフオームが同じようで、店員の顔までどこに行っても同じ顔に見える。
しかし裏通り、いわゆる路地に入るとその街の特色に出会う。小さな雑貨屋などに出会うと、近所の人だけを相手にしているのだろうか。味噌があり、醬油があり、洗剤があり、インスタント食品がある。せんべいもあるし、ローソクもお線香も売っている。足りないものは無いほどに、何でも手に入りそうだ。これぞまさにコンビニエンスストアではないのか。狭い路地の道端に、まるまる太った野良猫が、無防備な格好で眠っていたりする。それを見るだけで、みんな優しい人ばかりなのだろうと想像する。もしかしたらこのあたりはお年寄りが多く、小さな子供が少ないかもしれないと思ったりもする。見ず知らずの人が挨拶してくれる。知らない人に挨拶されるのは、登山ですれ違う時以外まったく久しぶりだ。
「今日は暖かくていいですね」とか、「いいお天気で」などと言葉を交わした。こうゆう小さな出会いや、発見の一つ一つがその街の印象として残る。横町の路地のお稲荷さんに、小さな子供が手を合わせているのに出会うと、すごくうれしく懐かしい。街の魅力とは、そんなものではないのかと最近つくづく思っている。

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