国内回帰を目指す製造業

過日の新聞によると、財務省は国の一般会計の税収は約70兆円と2年連続過去最高と発表した。この状況が、今後も続くかどうかは不明だが、今、注目すべきは、製造業の国内回帰が進んでいるということである。
国内回帰の背景には、円安だけではなく中国のコロナ政策や、ロシアのウクライナ侵攻などに起因したサプライチェーン(供給網)の見直しが、大きく作用していると想像する。
国内回帰の主な企業を挙げるとすれば、安川電機は国内生産比率を50パーセント以上に引き上げる。キャノンは栃木県に半導体製造装置の工場を作る。アイリスオーヤマは国内生産を活発化させる。ワールドは岡山工場に生産を移転、JVCケンウッドはカーナビを長野県で、ダイキン工業は,エアコン生産は国内でといったように、国内回帰はまさに目白押しといった状態である。更に国内企業が集まって次世代半導体新会社ラピダスが政府肝入りで誕生。外資ではTSMCが熊本に半導体製造拠点をつくり、グーグルも千葉にデータセンターを作る計画がある。今年度の製造業の設備投資は全国で対前年度比51,8パーセント増で、茨城県は68,3パーセントと全国一である。まさに大井川茨城県知事の大きな実績といえる。
土浦市の政策の大きな柱の一つが、企業の誘致である。企業が立地されると市民の働く場所の確保が可能となり、人口の大幅な増加が期待できる。その結果、市財政が潤うことにつながる。情報の受発信が活発化して、活性化を促進させることになる。企業の誘致は今まさに正念場を迎えている。多くの企業は、常磐高速道路のインターが二つもあって、県央道路にもアクセスしていて、非常に企業立地の条件の良い土浦市に目を向けているのは事実なのである。この好機を生かさねば、土浦市が大きく伸びる好機を失ってしまうかもしれない。つくば市がどんどん発展しているのに比べ、残念ながら土浦市は足踏みしている状況だ。
また超高齢化と人口減少で苦境にある地方に、地殻変動が起きつつあることも事実である。新型コロナウイルス禍が都市部への人口集中に歯止めをかけ、急速なデジタル化も地方の弱みを消し始めている。実際にIT関連企業は会社の機能分散が進んでいる。コロナ感染防止で蜜を避けることが求められ、テレワークが推奨される中、都会の人口集中はリスクに変わり、様々な「距離」はなくなった。会社がどこにあるかはあまり問題でなくなった。企業誘致が絶好の機会という意味はそこにもある。

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