運転免許証の更新について

先日運転免許証の更新をした。後期高齢者であるので、認定認知機能検査を受けることになっていて、簡単な記憶力の調査と視野測定などの検査を受けた。疑問はあの程度の記憶力の検査などは、随分と失礼な話だと思う。「年を取ったら、全員が馬鹿になっていて、運転に適しない状態になる」という先入観で縛られているようで、正直不満感が強くある。日本国憲法には「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と書かれている。それにも拘らず75歳以上のドライバーに、「認知機能検査」を義務付けているのは、明らかに憲法違反である。差別は禁止されているのだから、たとえ年を取って動作が緩慢になっていたとしても、それによって一律の規制をかけるという事は、一種の差別に当たる。差別とは特定の人間に対して「どうだ」と決めつけることである。75歳以上の高齢者に認知機能検査を課すという事は、「認知機能が衰えているから運転は危ない」と決めつけており、完全な差別であると思う。事故を起こすのは高齢者だけではない。したがって認知機能検査を受けさせたいのなら、全年齢のすべてのドライバーに受けさせるべきだ。そもそも、24歳未満の方が事故を起こす確率は高い。それなのに高齢者だけを「危険」とレッテルを貼るのは、大いなる矛盾だ。専門家の話によると、免許証を返納すると、数年後の要介護リスクは2.2倍になるそうである。
持っている能力はキープし続ける。出来ることは放棄しないという事が、高齢者の健康を守ることにつながる。
免許制度にも問題がある。まず有効期間が3年というのは、国際的に突出して短い。フランスやドイツは15年だし、イギリスやアメリカは10年だ。更新は簡単で試験場や警察署に出向いて講習を受けさせられるようなことはない。日本では免許保有者8千万人が、3年ごとに面倒なことに付き合わされているという、壮大な無駄をさせられていると思うのだが。
私は月2回、高校時代の同級生とゴルフをやることにしている。ゴルフ場までの往復はもちろん車を運転する。休日は畑へ行って農作業をやる。軽4輪車に農機具を載せていくし、帰りには作物をしこたま載せて帰ってくる。今までたった一度も事故を起こしたこともない。ゆっくりと田舎道を安全運転している分には、事故など起こるはずがない。高齢者の免許証返納が話題になるが、高齢者が全員免許証を返納したら、日本の農業は成り立たなくなる。食料自給率が30パーセントを切ったと問題になっているのに、食料自給率は一桁台になってしまう恐れがある。高齢者の免許返納による課題の方が、日本の国にとっては大問題のはずだ。
世の中には、可能性がゼロなんてものは、何一つない。ゼロリスクなんてものは存在しない。高齢者の免許返納を推進して、大きな問題が起こる方が大問題だと思う。

 

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