愚かとしか言いようのない鳩山前首相

主君に使え、たくさんの禄高をもらい、それでいて仕事をせずに一生寝て暮らす。そうゆう武士も、じつは世の中の役に立っていると述べたのは荻生徂徠である〔寝ているも奉公なり〕。俸禄が家族を養い、友人知己の生活を助け、消費に回り、めぐりめぐって世を潤すからだという。
しかしながら鳩山前首相に限って言えば、居ないほうがはるかにましだ。国会議員としての職は安定、給料は国民の税金と母親からのお小遣い、それで仕事ぶりは日本に害をなすだけだからだ。彼の場合、有害なことをやるよりも、無益な居眠りをしていてもらったほうが、国民にとってどれほど益するか計り知れない。
鳩山前首相が米軍普天間飛行場の県内移設を決断する根拠として、米海兵隊の抑止力の大切さについて「方便だった」と発言したことに対しての怒りは、国会を超えて沖縄の地元はもとより、全国民に広がった。また「米軍が辺野古にこだわるのは、沖縄がパラダイスのように居心地が良いためだ」とも発言した。この発言は米国民の感情に火をつけたのではないか。日米同盟の根幹を支える相互信頼を無にする暴言であり、日本国民を危険に晒す暴挙である。この責任は万死に値するものである。
抑止力というものについて考えてみると、戦争反対、テロ反対をいくら唱えても、悪意を持つ敵対勢力がいる限り、戦争とテロは必ず起きる。それを完全に阻止することは出来ないが、違法な武力行使が割に合わないことを物理的に相手に悟らせることは出来る。それがいわゆる「抑止力」の概念だと思うのだが、日本の周辺に戦争を切望する国があるとは考えたくない。しかし核兵器を含む軍事力を背景に、日本に対し政治的恫喝を企みかねない国々は、北朝鮮以外にも現に存在する。戦争が始まれば嫌でも戦わなければならない。核兵器による政治的恫喝があれば、米国製核兵器の「持ち込み」すら考える必要が出てくるかもしれない。それが嫌なら、まずは日本の防衛費を大幅に増額し、日本自身の抑止力を強化すべきである。それも困るというなら、日米がもたらす東アジア地域の抑止力を維持しなければならない。
国会議員でない我々にも、そのくらいのことはわかる。鳩山前首相は、一刻も早く国会議員の職を約束どおり辞任すべきなのであり、国民はそのほうが安心して生活を送ることが出来る。

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