土浦にホテルが急増する理由

旧協同病院脇の空き地に、ホテルルートイン土浦が本年1月にオープンした。客室数が209室あるかなりの規模のホテルだ。ビジネス系の客を対象にしているのか、料金は低めに抑えている。聞くところによると、毎日、ほとんど満室の状態が続いているようだ。土浦駅北口にあるやはりビジネス系の客を狙ったホテルに加え、何故こうも土浦にホテルが増えるのかと不思議に思い、いろいろ調べてみた。
利用者は、企業関係者が圧倒的に多いようだ。企業関係者にとっては、東京から距離的に近い土浦市やつくば市及びその周辺の地域は、営業所や出張所を置かなくても、基本的に日帰りで仕事ができる。万一、手間取ったとしても、ホテルに一泊すれば十分だというのがその理由のようだ。
確かに最近までは、土浦市には結構な数の企業の営業所や、出張所があったが、数年前から極端に少なくなった。企業の合理化によるものだと思っていたが、道路が整備され、JRやTXの輸送力増強によって、東京との距離が格段に短くなり、土浦市やつくば市に企業の出先を置く必要性が、なくなったという事が大きな理由のようだ。これは土浦市にとっては、大問題で、まずは税収減、人口減、企業で働く人たちの商店の利用が、大幅に減るなどの弊害が発生している。現在、土浦市内に立地されている企業は、大切にすること重要だ。移動されてしまっては大変なことになるという危機感を覚える。
ちょうど政府が東京一極集中の是正に向け、来年から、5か年をかけて実施する「第2期まち、ひと、しごと創生総合戦略」が発表された。興味を引く内容に、地方への企業の本社機能移転の強化が盛り込まれている。土浦市としては、他に優先して、真っ先に取り組むべき効果的な政策を上げるとしたら、企業の本社移転の積極的誘致であろう。経費が掛かっても、企業の本社が来てくれれば、税収も人口増も計り知れないほどの効果が見込める。大井川知事も企業の本社移転は、優先政策の一つに取り上げており、すでに何社か実績を残している。
今、土浦市が進めている市街地活性化戦略は、実態に合わなくなってきている。早急に見直しを図る必要があると思う。

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