日本の文明の原点とは

政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」において、公的行為のあり方において、概ね意見の一致が見えてきたようである。 特に注目の的である退位については、時間をかけて徐々に皇族方で分担し、移行する引き継ぎ期間を考えるべきとのことでまとまるようだ。 天皇の御高齢による公的行事の軽減は、何をおいても実現せねばと強く思っていたが、その方向性が見えてきたことに安堵している。 我々日本人にとって、日本の文明の中心は皇室であると思っているからである。
ハンチントンが、世界の文明を8分類し、日本の文明は日本ただ一人が打ち立てた文明だと定義した。 確かに、日本は、中国や朝鮮半島から多くを学んだ。 しかし、学んだ外来文化に埋没せず、消化吸収した上で、逆にそれらの上に、独自の文明を築き上げた。 その中心にあったのが神道であり、神道に基盤を置く皇室であった。 日本古来の神道は、外来の仏教と融合し、人間を守り導く大いなる存在としての神仏を拝礼した。 拝礼の対象を、仏像に限定することなく、山、川、草木へと広げて行った。 仏教を神道本来の自然信仰に帰し、自然の中に仏さまが宿っているという、思想に育て上げたのが日本人なのである。
そして常にその中心におられたのが、皇室である。 神道と一体の皇室こそが、ハンチントンの言う日本文明の核なのだと思う。 日本を日本たらしめる存在が皇室だと思っている。

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