保育園問題とは

過日の東京都知事選の争点の一つは、待機児童問題が大きなテーマだったように思う。 「保育園おちた。日本死ね」という無記名の文書が出たことがあった。 この文書について曽野綾子氏が感想を述べていた。 「もちろん保育園は、全員が入れるだけあったほうがいいに決まっている。何時の時代にも、現実は理想通りにはいかないことを自覚するのが、教育を受けた成人の証しだ。この文章の薄汚さ、客観性のなさを見ていると、私は日本人の日本語力の衰えを感じる。言葉で表現することの不可能な世代を生んでしまったのは、教育の失敗だ。自分の思いの丈を長い文章で表わす力をついに身につけなかった成人は、人間とはいえない」と明快に述べていた。 きわめて同感である。
我が国は、昔から三世代同居が当たり前の社会であった。 家庭は生命をつなぐ基本単位であり、古くから家庭が伝統、文化、道徳、倫理の基盤とされてきた。 祖先を祀り、血統を尊び、子孫に伝える日本の国柄を作り上げてきた根幹であったのである。現今の保育所騒ぎは行き過ぎた核家族化に、その原因の一端があると思う。 家庭の力とは、若い親だけで担保できるものではない。世代間の助け合いがあってこそ、子供たちはもとより大人にとっても人間関係を学び、複雑に耐えることも学べる。 少子高齢化社会に対応するためにも、税制、住宅、政策などを通じて、三世代家族を基礎とする社会ができれば、少子高齢化の問題は大部分が解決される。 女性の職場進出も、保育所問題も、家庭の中で解決できるのである。最近多いと言われる子供虐待もなくなると思う。

Follow me!

つぶやき

前の記事

江戸の大人口
つぶやき

次の記事

道路の雑草処理