中国との関係

バブル崩壊後の日本は、焦りもあったのだろうが慎重さに欠けた面が多々あった。 特に中国との付き合い方だが、我が国の企業の重要な技術を、中国に輸出あるいは支援という名目で売り渡してしまった。 その影響がいま日本へ脅威という形になって戻ってきている。 あまりにも人が好いというか、世間知らずというか、間抜けな話だというほかはない。 フイレンツエの政治思想家ニッコロ・マキアベリは、「他国が強くなるのを助ける国は自滅する」と言ったが、バブル崩壊後の日本の中国に対する技術提供はまさにこれだ。 つい先日の新聞に衝撃的な記事が載った。 日中が争ってきたインドネシアの高速鉄道計画で、日本は敗退した。 もともと中国には新幹線の技術は全くなかった。 日本が新幹線技術を提供し、中国はそれにどうでもいい若干の手を加えて、中国の技術だと言って世界に売り込んだのである。 孔子や孟子が説く高邁な思想は、今の中国には全くない。 莫買の中国人が、パリの店先で子供に用をたさせている映像をテレビで見たが、礼節も常識もない謂わば世界中の嫌われ者になってしまった感がある。 今回のインドネシアへの高速鉄道の売り込みも、欺瞞と言われようが何と言われようが、自国の利益の確保に血眼なのである。
今回のインドネシアの高速鉄道計画は、首都ジャカルタからバンドン間の140キロを時速300キロ以上で結ぶ構想だ。 中国の強引な輸出攻勢は、その背景に高速鉄道産業のだぶつきがある。 国内の高速鉄道網は、わずか10年ほどで1万6000キロに拡大され、日本の新幹線網の6倍を超えた。 車両や設備、労働者などの過剰は続くだろうから、採算を度外視した輸出攻勢は今後も続くと見るべきだ。
今回の中国のやり方について考えられることは、中国国内で高速鉄道網が充実していけば、当然ながら同国の経済成長率は高まる。経済成長率が高まれば、政府の財政規模も増え、軍事費を拡大することができる。JR東日本や車体を担当した川崎重工は、我が国の虎の子の新幹線技術を中国に提供して、我が国の安全保障を危うくしたことになるのである。

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