明快な都市計画の成功

 上記表題の記事が、過日の新聞に載ったのをご存じの方も多いと思う。 記事の内容は1970年代にアメリカを代表するあのニューヨーク市が財政破綻をし、その後、同時多発テロと高潮被害を受けたにもかかわらず、現在は人口が格段に増加し、生産額も上昇し、世界から人やマネーを集めるグローバルシテイとして見事に復活を果たした。 
当時、市長だったマイケル・ブルームバーグ氏が、市勢復興のために最も力を入れた政策が都市計画であり、都市計画の専門家を外部から迎え入れて大胆な施策を展開した。 例えばすべての市民が10分以内に公園にたどり着くなどのように、具体的な目標が405項目にわたって設定され、項目毎に達成度が公表されるなど、緊張感のある情報発信がなされ、さらに街の再生戦略では都市全体の将来像を示し、市民の都市設計への関心を取り戻すことに成功した。 全体像のみならず、タイムズスクエア周辺での街路の広場化や、高架貨物線跡ハイライン、ブルックリン・ブリッジ公園のオープンなど、既存インフラの積極的な改修による歩行者空間の拡大も特徴の一つとしている。 しかもそれらを単なる改修に留めず、先鋭的な建築設計技術者を積極的に起用して、ニューヨークの新しいイメージを生み出すことに大成功を果たしたとある。
今、土浦市で川口~立田線の都市計画道路が建設されている最中である。 先日工事の状況を見る機会があって感じたことなのだが、両側の歩道上に電柱が建ち始めているのを見て、ニューヨーク市の対応とずいぶん違うものだと違和感を覚えた。 街の美観のために電柱の地下方式を国全体が進めているのに、土浦市は建設工事中の道路になぜ電柱を立てているのだろうか不思議である。 既存の街並みの場合、電柱を地下方式にするのは大変だが、新しい道路では電柱の地下方式を採ることは極めて簡単にできる筈である。つくば市も石岡市も積極的に電柱の地下方式を採用して、街の景観が素晴らしく改善された。 一挙に何もかもと云うのは、経費の問題をはじめ困難さはあるかもしれないが、街並み景観整備は都市の品格が問われるもので、電柱の地下埋設は行政が意思決定すればできる事柄である。したがって積極的な発想の展開を期待したいものである。 

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