無礼者

先日、つくば市のある日本料理屋での出来事であるが、昼食を取るのために友人と二人で寄った時のことである。 うまくて安いという評判通りの店で満席に近かったが、何とか二人分の席が取れて食事にありつくことが出来た。 隣の席には若い女性客が二人で食事をしていた。が、終わると同時に間断がないほどの勢いでお喋りをはじめた。 周囲に他人がいるのが全く眼中にないかのごとく、大声で喋り笑う。 屈託がないと言えばその通りなのだが、 「みっともない」 という意識が働かないのが不思議である。
そういえば、最近特に目立つのだが、「無礼者」とそう叫んで切って捨てたい無礼な輩が多い。
0、満員電車の中で人の頭の上に新聞を広げる奴。
0、一歩待たず、人の目前を横切る奴。
0、耳元でガムをクチャクチャ噛む奴。
0、客席にドスーンと腰をおろす奴。
まったく斬り捨て御免にしたいが、体位向上の今日、こちらが「返り討ち」になりそうだ。 「そんな事をすると人に迷惑になるからよしなさい」ではなく、「そんなことをするとみっともないからよしなさい」 と云うのが日本の文化でもある。
だが、いずれにしろ昔は 「してはいけない」 ことが幼少期の躾の中に存在していた。 今やそんなものはないのだろう。 戦後の 「民主主義」 と自由を享受し過ぎた世代が父であり母である。
親が率先して社内の席を奪う。 ガムをクチャクチャやる。 子供が窓に向い、靴が隣の客のズボンを汚しても「関係ない」し、まして注意でもしようものなら 「うちの子に文句があるか」 とにらまれる。 こんな手合いがいっぱいいる。 
わが民族は勤勉かつ礼儀正しかった。 この頃いったい日本は文化国家なのかと考え込んでしまう。 年々海外旅行に行く人が増え、新幹線はさらに早く、豪華になり、車、パソコン、スマホ等々。
反面、平然と煙草の吸殻をホームに投げ捨て、所かまわず唾を吐き、立ち小便をし、小間物屋を開く。
それもあまり罪の意識を感じていないのである。 「降りる時は前の方から順序良く」 等と幼稚園の遠足のよう車内放送をやっている。それすらできない。
ああ、無礼者の天国、日本。

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